薬を使わない薬剤師の“健康自立ブログ”

「低体温は万病のもと」体温と健康の密接な関係。がん細胞が大好きな体温とは?

体温が1度下がっただけで大幅に低下してしまう機能とは


火事にならないよう日頃から火の用心をするように、日頃から病気になりにくい身体、病気になっても自力で治せる身体を作っていけば、薬に頼る回数は激減するはずです。

病気は自分で治すもの身体は自分にとって替えのきかない大切なもの、という意識をしっかりと持ち、日常生活の中で、「健康な身体」を育んでいくことが重要になります。年齢を問わず、誰もが簡単に日常生活に取り入れることのできる健康増進法をご紹介していきます。

低体温は「万病のもと」と言われるように、体温と健康は密接に関わっています。

たとえば、体温が1度下がると、免疫力は37 %低下し、基礎代謝が2%低下し、体内酵素の働きが50 %低下するといわれています。

免疫力は、体内に入ったウイルスや細菌、異物などから身体を守る力のことです。免疫力が低下すると、多くの病気にかかりやすくなり、かかった病気が治りにくくなります。

代謝というのは、身体が外から取り入れた食べ物を体内で化学変化させる活動のことです。エネルギーを生み出すのも代謝であり、体内酵素やホルモン、細胞を作り出すのも代謝。代謝が低下すると、体重が増えやすい、つまり太りやすくなるのです。

ちなみに「代謝」を英語で言い換えると「メタボリズム」になります。メタボの通称でおなじみのメタボリックシンドロームは、代謝の異常によって起こるアンバランスな状態を指す言葉なのです。

体内酵素というのは、食べ物の消化・吸収を促し、ホルモンの分泌や新陳代謝などを円滑にする働きを持つ物質です。体内酵素が少なくなると、食べ物が消化されにくくなり、エネルギーも作られにくくなります。

また、がん細胞は温度の低い環境で活発に増殖するため、低体温はがんの温床にもなります。最近の研究で、がん細胞は特に35度を最も好み、39.3度で死滅することが明らかになりました。

私たちは、熱が上がると大騒ぎをしますが、体温が低いこともまた由々しき問題なのです。健康的な人の平熟は36.5度から37.1度といわれていますが、最近は女性だけでなく、男性にも、 そして血気盛んであるはずの子どもにまで、低体温が広がっています。

なぜ低体温の人が増えているのか


衣類も豊富にあり、食べ物も豊富にあり、暖房設備も整っている現代で、なぜ低体温の人が増えているのでしょう?

その原因の一つに筋肉量の低下が挙げられています。
筋肉は、身体の中で熱を生産する工場のようなもの。工場の数が減ることで自動的に熱の生産量も落ち込み、身体に十分な熱を供給できないというわけです。

ちなみに日本人の平均体温は、50年前と比べて0.7度ほど下がっているそうです。その理由は言うまでもなく、ライフスタイルが変化し、日常的な運動量が少なくなったことにあります。どこに行くにも乗り物を利用し、家事をするにも家電にお任せの現代人。

文明の発達のおかげで便利になった分、私たちは自分の身体を動かす機会を減少させ、自らの体温を低下させてしまったのです。体温は生まれつきのもので自分ではコントロールできないと思われがちですが、そんなことはありません。

衣類をまとって身体を冷やさないようにすることはもちろん、身体を温める食べ物を食べ、熱の生産工場である筋肉を増やしていけば、体温を上げることは可能です。食べ物と筋肉を作るための運動は、健康を育むための両輪です。

(宇多川久美子著書:『それでも薬剤師は薬を飲まない』より抜粋)


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