いつも何かに追われている気がしていませんか?
現代人は、いつも何かに追われています。
通勤時間に追われ、仕事に追われ、家事に追われ、約束に追われ、いつも緊張して急いでいます。
あなたは、どうでしょうか。いつも何かに追われている気がしていませんか?
緊張して急いでいるとき、私たちは目の前の事態に素早く対処しなければならないため、息を詰めて身構えています。いわば動物が獲物を追いかける時と同じで、交感神経が優位になった状態です。
現代に生きている以上、急がなければならないときがあるのは、仕方がありません。ただ、いつも交感神経優位の緊張状態でいると、呼吸が浅くなり、血流が悪くなって、身体が低体温、低酸素になってしまいます。低体温、低酸素状態になると、がん細胞が生まれやすくなるなど、さまざまな問題があるのはこれまでに述べた通りです。
また、急ぐがゆえに、病気も手っ取り早く薬で治そうとし、浴槽につからずにシャワーで済ませ、早食いをし、レトルト食品やファーストフードを食べ、自転車や自動車を使うという、といったことも起こります。急ぐ気持ちがせわしない生活習慣を生み、自然治癒力の低下を招いてしまうのです。
さらに、いつも急いでいると、脳がその状態から抜け出せなくなってきます。アドレナリンが出っ放しになり、交感神経優位の状態が戻らなくなるのです。こうなると、だんだんセロトニンが出なくなって、ひどい場合にはうつ状態に陥ってしまいます。
「ゆっくり」を意識することで緊張が解ける
このような状態に陥らないためには、急がなくてもいいときは急がないことが大事です。
とは言え、いつも何かに追われていると、”急がなくてもいいとき”を見つけるのが難しいと思います。では、どうすればいいのでしょうか?
「ゆっくりする」という意識を持つことです。
いざというときは走ってもかまいませんが、それ以外のときは、
意識的にゆっくり歩く。
食事も意識してゆっくり食べる。
ゆっくり呼吸する。
ゆっくりお風呂に入る。
「ゆっくり」を意識することで、徐々に急ぐ必要のないときを見つけられるようになります。そして、ゆっくりできる時間が増えれば、自律神経のバランスもとれてきて、さらにゆっくりできるようになります。
(宇多川久美子著書:『薬を使わない薬剤師の「やめる」健康法』より抜粋)
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