サプリメントは薬の延長線上にあるものです
人工的に作られた不自然な産物であることに、薬もサプリメントも違いはありません。
「人間には自らの中に100人の名医を持っている」
西洋医学の父と呼ばれるヒポクラテス(紀元前460~紀元前370年頃)の名言です。どんな病気になったとしても、身体はその状態に応じて自ら治していこうとする働きを持っているのです。現代医療で使われる薬の多くは、身体内物質を科学的に解明し、模して作った合成品です。工場で大量生産されるこの化学合成品の原材料は、ほとんどの場合、石油です。
プラスチックも農薬も食品添加物も薬も、そしてサプリメントも、化学合成により大量生産されるものは、石油を原料としています。
薬なら間違いがないように、サプリメントならおいしく見えるように、きれいな色が付けられています。その着色料も、石油が使われていることが少なくありません。
確かに、サプリメントは健康食品に分類されるものですから、薬ほどの強い毒性はないと考えられるでしょう。ビタミンやミネラル、食物繊維など、現代の食生活では十分に補えなくなっている成分を効率よく補給しようというのがサプリメントです。
「ならば、サプリメントを飲んでもよいか」と問われれば、「あまりおすすめできません」と、私は答えるでしょう。
私自身も、サプリメントや健康食品の類は口にしません。サプリメントや健康食品の栄養素は、野菜や果物を食べれは自然な形で得られるものだからです。
「レモン100個分のビタミンC」に隠された真実
例えば「レモン100個分のビタミンC」などというキャッチコピーをよく目にします。これだけ見ると、確かにすごいことのように感じます。ビタミンCは美肌にも効く美容成分ですし、疲労回復にも必要な私たちの体になくてはならない成分です。疲労をためないようにと複合ビタミン剤を飲んでいる方も多いと思います。
しかし、それを飲んだ後尿が不自然な黄色になり、独特の臭いがしませんでしたか。これはビタミンB2の成分が尿と一緒に排泄された表れです。ビタミンB類やCは水溶性の成分であり、不必要な分はそのまま排泄されます。不自然な形で大量に身体に入れても、身体はそれを受け入れていないのです。
不必要なものが出てきてくれたのならば、まだよいのかもしれません。ビタミンには脂溶性のものもあります。ビタミンA、D、E、Kなどです。それぞれ身体に必要な成分であり、不足すれば身体機能に支障をもたらします。
これらは脂溶性であるため、身体の脂肪分にたまりやすく、排泄されにくいのです。身体に必要な成分も、過剰に蓄積してしまうと、多くの弊害をもたらすことになりかねません。
それでも、「どうしてもサプリメントをとりたい」という人は、合成品ではなく、天然由来の物質から抽出された品を選ぶとよいでしょう。
加齢によって衰えがちな身体機能を若々しく高めてくれるサプリメント
天然由来のサプリメントもさまざまなものが販売されています。
アントシアニンやコンドロイチン、グルコサミン、セサミン、コラーゲン、ヒアルロン酸などは、加齢によって衰えがちな身体機能を若々しく高めてくれるとされ、とても人気です。
ただ、単一成分を抽出したものが本当に効くのか、という疑問はあります。アントシアニンのサプリメントは「ブルーベリー◯◯個分の成分を1粒に凝縮」などと宣伝されています。アントシアニンは目の健康によいとされる成分です。しかし、アントシアニンが目の疲れをとってくれるのは、ブルーベリーに含まれる他の成分がアントシアニンと一緒に働くからではないでしょうか。
身体によいと知られている成分のみを凝縮して「身体によい」「若返る」などとはいえないと、私は考えます。
しかも、サプリメントの成分も血管を通って全身に行き渡るのは薬と同じです。目によいとされる成分が、目にだけ届くわけではありません。他の部位ではどのように作用するのかわからないということも、意識しておく必要があります。
生活改善を上回るサプリメントはない
生活習慣を改めない限りどんなによい商品をとったところで、真の健康は得られません。その点においても薬とサプリメントはよく似ています。
目の前にあるものが、いつもあるとは限りません。薬やサプリメントなど特別なものに頼って体調管理をしていたら、もしもそれを入手できない状況に陥ったとき、どうやって健康を維持すればよいのでしょう。
私たちが大事にすべきことは、生活の中から自分の力で健康を高めていく意識です。
「このサプリメントを毎日飲んでいたら、医師からも見放されていたのに、病気が治った」などという体験談は、たびたび耳にします。有機栽培でつくられた良質の野菜や果物だけを使い、ていねいに製造されているサプリメントもあります。これはすごいと、私自身感じるものもあります。
ただ、そうした方々のお話を聞いていると、良質のサプリメントや高価なサプリメントを口にするとき、同時に健康に対する意識を大きく変えていることがわかります。
「これだけよいものを飲むのだから、ふだんの食事も良質なものをとるようにしよう」と、コンビニ弁当の加工食品など食品添加物を含むものを控える人が多くなります。サプリメントをきっかけとして、日常生活を大きく変えているのです。
サプリメントの力とあいまって、実際にはその人の意識が変わり、食や生活に対する姿勢が変わったことも、大きな効果をもたらしているのではないでしょうか。
(宇多川久美子著書:『その「1錠」が脳をダメにする』より抜粋)
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