薬を使わない薬剤師の“健康自立ブログ”

栄養状態を改善することが出来る“内蔵脂肪を溜めない「油」”の種類と働き

再評価されている「油」の価値


食事の際に何に気をつけていますか? と聞いた時に、多くの人がこう答えるのではないでしょうか。

「油の摂りすぎに気をつけています」
「できるかぎり油を控えています」

健康な身体のためには、そして太りすぎないようにするためには「油は大敵だ!」と、とにかくすべての油を目の敵にしている人がいます。たしかに、油抜きの食事などがダイエットに有効であると推奨されたこともかつてはありました。

けれども、栄養学は進歩しています。現在では「油」の価値が再評価されています。

たとえば「飽和脂肪酸」と呼ばれる油(代表的なものとしてはバター)が動脈硬化の原因になると言われた時代がありました。これは、現在では否定されています。

少量でカロリーが多く摂れる油(脂質)は、栄養状態を改善することに大きな効果をもたらします。考えるべきなのは「油をカット」することではなく「油を有効利用」することです。

注目されている中鎖脂肪酸油(MCTオイル)の有効利用


現在注目されている油の一つに中鎖脂肪酸油(MCTオイル)があります。

中鎖脂肪酸はココナッツオイルやパーム核油に多く含まれるもので、内臓脂肪を溜めないことが確認されています。

一般的な脂肪酸とは代謝経路が異なり、効率よく分解されてエネルギーに変わります。MCTは胃もたれを起こしにくいので、食が細くなった高齢者にも向いています。また、糖質制限のもと、脂肪酸が燃焼する際には肝臓でケトン体が作られます。このケトン体には活性酸素を無害化する働きがあるのです。

エゴマ油やアマニ油に含まれるαリノレン酸は、摂取した量の一部が体内でDHA (ドコサヘキサエン酸)やEPA (エイコサペンタエン酸)に変換されると言われています。

DHAやEPAはHDLコレステロールを増やし、LDLコレステロールと中性脂肪を減らしてくれるので、これらの油を活用するのもよさそうです。ただし、これらの油は酸化しやすいため加熱調理には向きません。炒め物や揚げ物には使わず、サラダのドレッシングやマリネなど、加熱をしない調理法で摂ってください。

また、オリーブオイルやアーモンドなどに含まれているオレイン酸にはHDLコレステロールを減らさずにLDLコレステロールだけを減らす働きがあるという報告もあります。

気になるアルコールについても考えておきましょう。

お酒をたしなむ方にとっては嬉しいことに「アルコールは適量であれば、HDLコレステロールを増やしてくれる」そうです。喜ぶたくさんの人たちの顔が見えるようですが、でも、厳しいことも付け加えさせてください。それは「必ず適量を守ってください!」ということです。

適量というのがどれくらいかご存知でしょうか。

お酒が強い人と弱い人とでは個人差もありますが、ビールなら一日に中瓶一本程度(500 ml )、日本酒なら1合、ウイスキーならダブルで1杯程度です。
この量を守れるなら、OKです。けれども、もし守れないとどうなるか。

それも知っておいてくださいね。アルコールを飲みすぎると、中性脂肪の合成がどんどん進みます。そのため脂質異常症を引き起こしたり超悪玉のコレステロールを増やしたりすることにつながり、いいことは一つもありませんアルコールの過剰摂取は危険!と認識してください。

 

(宇多川久美子著書:『それでも「コレステロール薬」を飲みますか?』より抜粋)


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