薬を使わない薬剤師の“健康自立ブログ”

肌の奥まで浸透してしまう日焼け止めクリームの害と子どもたちにも使える安全な紫外線対策

前回は日焼け止めクリームに含まれる紫外線吸収剤・紫外線散乱剤が人体に与える影響についてお話しました。

いずれの場合でも日焼け止めの怖いところは、肌全体に塗り込むために、全身の皮膚から身体に有害物質が吸収されてしまう点にあります。特に微細化されたナノ粒子にしてしまうと、さらに吸収されやすくなってしまいます。
前回もお伝えしたようにWHO(世界保健機構)によって発がん性が指摘されている成分も多数あります。

参考までに、テレビCMをしている有名ブランドの日焼け止めクリームの成分表を調べてみました。紫外線吸収剤としてメトキシケイヒ酸エチルへキシル、オクトクリレン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンが配合され、紫外線散乱剤として酸化亜鉛、酸化チタンが使われています。

今回のテーマではありませんが、多数配合されている成分が均一に混ざり、そして肌になじむようにポリブチレングリコールを始め、多くの合成界面活性剤、乳化剤も使われています。(カタカナの成分名が長くて読みにくいということは、合成に合成を重ねているということですね!)

肌の奥まで浸透するということは「食べる」のと同じ


どの製品もどんどん進化して、成分が微粒子化し、肌の奥まで浸透しやすくなっています。化粧品は食品とは違うと思っていても、実際には肌から身体に取り込まれているのと同じです。しかも、化粧品メーカーが推奨しているように「しっかり効果を出すためには、塗り残しのないようにまんべんなく、何度も塗り直し」をするのです。

さらに、汗や水に強い「しっかり肌に密着する」ウォータープルーフ製法ですから、帰宅したら専用のクレンジングで洗い流さなければなりません。どんな化粧品にも言えることですが、肌に密着するということは、それだけ皮膚呼吸ができない状態です。そうなれば、皮膚の代謝もさまたげられ、肌トラブルの元になります。

日焼け止め剤には「保湿剤配合」と大きく書かれているものもありますが、つまりは日焼け止め成分だけでは乾燥するということでもあります。せっかく肌のためを思って、高価な日焼け止めを塗っているのに、有害物質を肌から体内に取り入れ、肌の代謝まで妨げているとしたら…

その日焼け対策は正しいとはいえないのではないでしょうか。

そうはいっても、日焼け止めクリームを使わないでどうやって紫外線を防ぐの?


そう思いますよね。まずは防ぐことではなくて紫外線に負けない新陳代謝のよい肌を作ることを考えましょう!

本来、新陳代謝がスムーズに働き、肌のターンオーバーが正常に行なわれていれば、多少の紫外線はトラブルになりません。日に焼けても元の色に戻ります。

オゾン層の破壊から皮膚ガンになるリスクも問題視されていますが、黄色人種の日本人は白人ほど高いものではありません。紫外線のダメージを防ぐためにまずすることは、健康なターンオーバーを維持することです。

そのために大切なのは、やはりバランスのとれた食事と十分な睡眠です。
ターンオーバーを促すビタミンやミネラルも意識して多めにとりましょう!

とは言っても、すぐに対策しなきゃ間に合わない!!
そうですよね。私だって日焼け止めクリームをせっせと使っていましたから。
日焼止めクリームを繰り返し塗っていた肌はカサカサで・・・
どう見ても健康なターンオーバーなんて維持できない状態でした。

それなら!物理的に防ぐ!!これしかないでしょう!


いまや帽子は私のトレードマークとなっていますが、これはもちろん「おしゃれ」という意味合いもありますが、日焼け対策でもあるのです。そして夏の日中の外出は日傘も差します。サングラスもします。

眼から入る紫外線の害も問題となっています。黄色人種の日本人より紫外線による皮膚がんのリスクも高い白人は、紫外線対策も徹底しています。欧米では、子どものサングラス着用は、帽子着用と共に常識となっています。

この日本で子どもたちがサングラスをしていたら、あなたはどう思いますか?
「おしゃれ」とか「おませ」、「子どもなのにサングラスなんて!」と思うかもしれませんね。

でも、こどもに成分の有害性が問題となっている日焼け止めクリームを塗るより、物理的に目から紫外線が入らないようにすることのほうがずっと安全で効果的な対策だと思いませんか?

世界でもいち早く紫外線対策をとってきたオーストラリアでは【ノーハット・ノープレイ】というスローガンを掲げ、帽子を忘れた生徒の校庭遊びを禁止する学校もあるほどです。日本では日射病対策としての帽子ですが、オーストラリアでは日射病予防だけでなく紫外線対策として帽子が必須アイテムなのです。

子どもの時に大量の紫外線を浴びることが将来的な健康被害リスクを高めるため、紫外線から子どもたちを守ろうという意識が徹底しているのです。

もっとも日焼け止め剤に日焼け防止の効果があるのも事実です。スポーツや海水浴など夏の炎天下で長時間過ごすこともありますよね。帽子にサングラスに日傘というわけにはいかないこともあります。

そんな時は、日焼け止めクリームで紫外線をしっかりガードするという対策も必要かもしれません。いつもお話している薬との付き合い方と同じように「毎日当たり前に塗る」ということではなく「急場をしのぐ」という使い方をしてほしいですね。

有害と言われている成分も毎日蓄積されるのでなければ、身体に与えるリスクも小さいといえますから。
繰り返しますが、薬と同じように、必要な時だけ使うという使い分けができるといいですね。


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