薬を使わない薬剤師の“健康自立ブログ”

「老化」を「病気」にすると薬が増える

「老化」を「病気」にすると薬が増える


最近、週刊誌などで「薬を減らす方法」といった特集がよく組まれています。それだけ多くの方が薬を飲んでいるということのあらわれなのだと思います。

薬を飲んで病気が治るのであれば、薬は減っていくはずです。しかし、薬は年々増えていく
なぜこのようなことが起こるのでしょうか。

年を重ねても、身体に不調がまったくなく、病気1つせず、元気な方もいらっしゃいます。でも、若いときに比べて年をとった今のほうが元気で、不調がまったくないという方は、圧倒的に少数派です。病院に行くかどうかは別として、年をとれば、誰だって大なり小なり、身体のどこかに不具合は出てきます。

例えば、血圧はどうでしょう。若い頃と比べて高くなったという方は多いのではないでしょうか。でも考えてみれば、年齢とともに血圧が上がることは、不思議なことではありません。加齢により血管の弾力が落ちていけば、その分、全身に血液を送ろうと、血圧が高くなっていきます。

また女性の場合、年齢が上がるにつれて女性ホルモンの減少などにより、コレステロール値が上がってきますし、骨密度が落ちて骨粗鬆症などのリスクも上がります。

でも、骨密度が減る、つまり骨粗鬆症になることは、そんなにいけないことでしょうか。問題なのは、骨密度が減ったことではなくて、転倒したときに「骨折する(そしてそのまま寝たきりになる可能性がある)」ことです。ですからこの場合の解決策は、骨密度を上げるだけでなく筋力の低下も防ぐことです。

高血圧も高コレステロールも骨粗鬆症も、言ってみればすべて「老化現象」です。しかし、老化現象が悪いわけではありません。年をとれば、誰でも「老化」するのは当たり前です。その「老化現象」を「病気」にしてしまうことで、薬の処方がはじまります。老化に対して、「基準値」という数字で区切りをつけて、基準値内に収めようとどんどん薬が処方されているのです。

本人に不調の自覚もないのに不健康の烙印を押される


基準値や正常値が示されたら、その範囲内におさめたい、と思ってしまうのが人間です。しかしそもそも、基準値は本当に正しいものなのでしょうか。

例えば男性の平均身長が170㎝だったとします。170㎝が正常ならば、160㎝ゃ190㎝の人は異常かというと、そんなことはありません。なぜなら、身長を変える薬はないからです。

もし身長を変える薬があって、「190㎝の人は病気のリスクが高いですから170㎝にしたほうがいいですよ」と身長が縮む薬を処方されたら、飲む方もいるでしょう。でも現実には身長を調節することはできないので、「身長が高いですね」「小柄な方ですね」と
個性として受け止めているわけです。

同様に、血圧の値や血糖値、コレステロール値や骨密度も、個人差があるはずです。それなのに、体形や暮らしている場所(気候も含めて)、年齢も加味せずに、ひとくくりに数字で決めてしまうことには疑問を感じます。もちろん、明らかに体調が悪い場合や、治療をしなければならない場合もあるでしょう。でも一方で、血圧は高めだけれど、すこぶる健康な方、日常生活に何の支障もない方もた
くさんいます。

それでも、検査で基準値をはみ出しているだけで、本人に不調の自覚もないのに不健康の烙印を押され、治療の対象となり、薬が処方されてしまうのが現実です。今まで元気に過ごされてきた方に、「私は病気なのだ」「正常ではない(異常な)のだ」という意識を植え付けてしまうことの罪は大きいと思います。

(宇多川久美子著書:『薬は減らせる』より抜粋)


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