飽食なのに栄養失調になる現代人
身体の声を正しくキャッチできない状態で、欲望のおもむくままに自分が食べたいものを食べたいだけ摂取すると、身体の中ではどういうことが起こるでしょう?
矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、栄養失調の状態に陥ります。
栄養失調と言うと「飢餓状態」を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、そうした一般的なイメージとは裏腹に、食べものが十分にある状態の中においても人は栄養失調になるのです。
栄養失調は、食べものの不足でも起こりますが、最近は「新型栄養失調」と言って、食べものが十分でも栄養素が身体に吸収されない場合や、偏食によって栄養バランスがくずれた場合にも起こるのです。つまりおいしいものをお腹がいっぱいになるまで食べ、カロリー的には過剰な状態であっても、身体が必要とする栄発素が不足していたら栄養失調になるのです。そして、疲れやすくなったり、免授力が低下するなど、体調が悪くなります。
足りない栄養素とは
現代人の食事は、脂質、糖質などでカロリーはしっかり摂れているものの、タンパク質そしてビタミン・ミネラルといった微量栄幾素が足りていないことが大きな特徴です。
たとえば、ハンバーガーやピザ、ラーメン、パスタなどで、お腹は満たされても、その内容は脂質と糖質がほとんどです。カロリー的には十分なはずなのに、微量栄養素が不足しているため、身体が満足できないのです。満足できなければ、身体はさらに食べものを要求します。
私たち人間も動物的本能で、足りない栄養素を補おうともっと食べものを欲するのです。しかし、いくら食べたところで肝心の微量栄養素が補われなければ、身体は不調になります。脂質、糖質が追加されれば、それを分解するための微量栄養素が必要になるので、食べれば食べるほど、栄養素が不足していくという悪循環に陥ってしまうのです。
私たちは普段何気なく食べものを口にしていますが、複雑で繊細な身体のシステムが働いているからこそ、口から取り入れたものが胃腸で消化吸収され、それらが血液や細胞となるのです。そのシステムを円滑に動かすために、ビタミン・ミネラルなどの微量栄養素が必要なのです。
単に食べものを胃袋に入れれば、それがすべてうまい具合に血となり肉となるわけではないのです。バランスよくさまざまな栄養素が摂取されることで、初めて身体のシステムが機能し、健康が維持されるのです。
(宇多川久美子著書:『それでも薬剤師は薬を飲まない-食事編-』より抜粋)
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