腸の状態が不健全なら食べものの影響は響かない

現代人が栄養失調になる理由の一つに、腸できちんと消化吸収できていないことも挙げられます。
口から取り入れられた食べものは、胃で消化され、腸で消化吸収されます。
腸で吸収されなかった食べもののカスは、固まって便となって排出されます。
けれど、便がスムーズに排出されずに滞っていたとしたら、吸収の働きにも支障が出てしまいます。つまり、いい食べものを取り入れても、その食べものが100%の効力を発揮できなくなってしまうということです。

食べものを身体に取り入れるのは腸であり、食べ物に対する身体の反応は腸の働きと密接に関係しています。腸の状態が健全であれば、口から入れた食べものの影響はダイレクトに身体中に行き渡ります。逆に腸の状態が不健全なら、食べものの影響はなかなか響かないということです。

腸には免疫細胞の7～8割が集っている

一方、最近の研究で、腸には免疫細胞の7～8割が集まっていることが明らかになりました。
便秘している人って、風邪をひきやすかったりしませんか?

排出されるべき便が腸に留まっていたら、免疫細胞も活発に働くことができず、免疫力が低下します。すると、体調をくずしやすくなり、病気にかかっても治りにくくなります。

いい食べものを効率的に消化吸収するための方法

汚い部屋におしゃれな家具を入れても、他のものに埋もれてしまい、そのよさが引き立ちません。すてきな部屋も散らかり、ホコリがたまっていたら快適には過ごせません。おしゃれな家具は、部屋を片付けることが先決です。すてきな部屋を活かすには、きれいに掃除することがいちばんです。

それと同じように、いい食べものを効率的に消化吸収するためには、腸の中をきれいに掃除しておくことが重要なのです。

腸がきれいになれば、自動的に健康を保つ免疫細胞ものびのびと活動することができます。
食べものの消化吸収を司り、免疫力を生み出す、腸の環境を整えること。
これが、免疫力をアップさせ、身体を改善する際の大きな鍵になるのです。

（宇多川久美子著書：『それでも薬剤師は薬を飲まない-食事編-』より抜粋）

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