薬を使わない薬剤師の“健康自立ブログ”

健康情報番組は“あくまでも参考程度にした方が良い”本当の理由。

年相応に生きるうえでは、メディアの情報に踊らされないことも重要です。


テレビをつければ、健康情報番組がどの局でも放送されています。人気のコンテンツのようです。さまざまな情報に触れるという意味では、いいことだと思いますが、この手の番組の情報を真に受けるのは考えものだと私は思っています。

たとえば、最近流行した「睡眠負債」という言葉があります。健康番組などでも取り上げられていました。毎日、きちんと睡眠をとっていないと、眠れなかった分の「負償」が日々、蓄積されてしまう。それはあとで寝溜めしても取り戻せず、着々と「負債」が貯まっていくというのです。

こう言われてしまうと、「それは大変だ。眠れないときには、睡眠薬を使ってでも眠らないといけない」と思い詰めてしまう方も少なくないのではないでしょうか。

しかし、そう思うことが落とし穴なのです。夜は眠れなくても、昼間なら眠れるという状態であれば、なにも睡眠薬を飲む必要はないでしょう。

睡眠薬は癖になってしまう可能性がとくに高い薬です。もちろん、日常生活に影響するような深刻な睡眠不足に悩まされているのなら、話は別です。

よくないのは、「私は睡眠負債を抱えている」と反応してしまうことです。「一定の時間、夜に眠らないといけない」といった“常識”に自分を押し込めようとすることで、余計な心配やストレスを抱えこんでしまうのです。

夜眠れなくても、昼間に眠ることができ、それで日常生活を問題なく営むことができているならば、なんの問題があるというのでしょうか。別に夜に眠らなければいけないという法律などありません。ただの世間の常識です。

テレビや雑誌などの健康特集で、もうひとつ気をつけなければならないこと


それは、スポンサーありきで番組がつくられている場合があることです。

ちまたにあふれる健康情報を参考にするのはよしとしても、あまりに鶴呑みにしすぎるのも、考えものだと思います。

 

(宇多川久美子著書:『薬剤師の本音』より抜粋)


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