薬を使わない薬剤師の“健康自立ブログ”

「薬を飲むかどうか」を決めるのはあなた自身です

薬の予防効果には疑問を持っています


薬剤師として勤務していた頃にこんな相談をよく受けました。
「血液をサラサラにする薬を飲んでいるんですが、いつまで飲み続けないといけないんですか?」
薬を飲むと何となく体調が悪くなる。でも、お医者さんには薬を飲まないと血管が詰まるよと言われ、悩んでいるわけです。

私自身は、薬の予防効果については疑問を持っています。

急性のケガや疾患に対処するのが本来の薬の役割なので、自覚症状がないまま予防的に飲んでも副作用を上回るほどの効き目を期待するのは難しいと思っています。また、薬を飲むことで身体が発しているSOSの声を閉ざしてしまうことにもなってしまいます。

しかし、だからと言って「すぐに薬をやめなさい」とも一言えない事情があります。
ここが人の心のとても複雑なところで、「薬のおかげで血液がサラサラになっている」と思い込んでいる人には、それなりの効果があるのも事実なのです。
無理やり薬をやめてしまうと「今頃、自分の血液はどうなっているんだろう。ドロドロになっていたらどうしよう」などと悩んでしまい、それがストレスになって本当に血液の流れが悪くなることもあり得ます。

血圧の薬も同様です。
「薬のおかげで血圧が安定している」と思っている人が薬をやめると、「上がるかもしれない」という不安にとらわれて、そのせいで血圧が上がることがあります。身体というのは不思議なものですね。心で考えたことに応えようとするようです。

薬は身体にとって「異物」


薬は身体にとって「異物」なので、飲まないに越したことはないと私は思っています。

ですが、薬の力を信じている人に「飲んではいけない」というのは酷であるとも思っています。他人に対して薬を「飲むな」というのは難しいことです。

こればっかりは自分の責任において決断する必要があります。自分自身で責任を取れると思うから判断できるので、他人の身体の責任をとることはできません。

薬をやめたいという相談の中に「母が薬をやめない……」「夫の薬をやめさせたい」というものが多いのですが、これは「お母さま」「ご主人」の問題です。

あなたが薬をやめてもらいたいと思っても本人にその気がないと薬をやめることは難しいのです。まして、身内の言うことにはなかなか耳を傾けてもらえないものです。今の日本では、素人の家族の言うことより、医師の言うことが絶対正しいという思い込みがありますからね。

「先生が自分のために出してくれた薬が悪さをするわけがない」と信じ込んでいるとそれを覆すのは至難の業です。理解してもらえないことがあなたのストレスになって逆に体調を崩すなんてことにもなりかねません。

ご本人の薬の相談を受けた時も、私は「やめるべきです」とか「やめなさい」とは言わないようにしています。その薬についての情報は提供します。

そしてご本人が自分で調べた上で「薬を飲む選択」をしたのなら、それもアリだと思っているからです。

自分の健康は自分でつくる


私は講演でもよく「自分の健康は自分でつくる」とお話しします。
「薬に頼らない生活をしていただきたい」とも思っています“頼らない”ということと”飲まない”ということは違うと思っています

「お医者さまが飲めと言ったから「この薬がないと生きていけないから」と依存してしまうのではなく、「どうしてその薬が必要なのか 薬に頼らないためには何をしたらよいのか」をご自身で考えていただきたいのです。

健康を損ねている理由・背景も様々です。「自分でつくる」という言葉の中には「どうするかを自分で決める」という意味が込められています。

本書でもコレステロールについての色々な所見を示しました。そして「コレステロール値は本当に下げなければいけないのか?」を問うてみました。私が講演でよく言うフレーズに「私の言うことを鵜呑みにしないでくださいね。疑って聞いてください」というのもあります。

「正しい」と思い込んで聞くと、またそこに依存が生まれてしまうと思うからです。私の意見も参考にしながら、ご自身で判断していただきたいと思っています。

 

(宇多川久美子著書:『それでも「コレステロール薬」を飲みますか?』より抜粋)


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