薬を使わない薬剤師の“健康自立ブログ”

「グルコサミン」って本当に膝の痛みに効くの?

膝の痛みに効くといわれている「グルコサミン」とは?


膝の痛みに効くといわれている、グルコサミン。
そもそも、グルコサミンとは私たちの体内にもともとある成分で、軟骨をつくる際に必要とされるアミノ糖の一種です。

体内のグルコサミン量は加齢とともに減少し、それとともに軟骨は劣化していきます。軟骨は、骨と骨の間にあるクッションの役目をはたしています。体重の多くを支える膝の軟骨は、特にすり減りやすく、そうなってしまうと歩くたびに痛みを覚えるようになります。

そこでサプリメントの登場となります。グルコサミンのサプリメントは、多くがエビやカニの甲羅に含まれる成分を抽出してつくられています。天然成分をつかっているので、安全で安心、効果も期待できる、というのは一つのうたい文句です。

軽快なリズムでぐるぐると膝を回し、膝の健康をアピールするグルコサミンサプリメントのCMがあります。あの映像をみていたら、膝の痛みで歩くのもつらい人は一度試してみたくなるでしょう。

高齢の有名人がさっそうと歩き、キラキラと輝きながら「サプリメントのおかげでこの年齢でもがんばれる」と語りかけてくれば、「生涯現役」を目指したい人たちには夢の健康食品に感じられるかもしれません。

しかし、エビやカニの甲羅から抽出したアミノ糖が、服用後にそのまま膝の軟骨の生成に使われるのかと考えれば、答えはノーでしょう。

サプリメントの成分は、薬と同じように消化吸収されて全身をめぐります。膝に届くのはそのうちの一部です。膝の軟骨を再生させるために摂取するのだとしたら、どれほど大量のグルコサミンが必要となるかわかりません。それにもかかわらず、本当に膝の軟骨を再生させたのだとしたら、それはサプリメントの領域を超えて、薬というべき効能です。

なぜ、サプリメント宣伝は体験談式が多いのか


これはグルコサミンのサプリメントに限ったことではありません。

アンチエイジング(抗老化)効果をうたうサプリメントが続々と販売され、各メーカーは宣伝に力を入れています。サプリメントのCMには一つの傾向があります。

現役を謳歌する高齢の有名人を連れてきて、「私も飲んでいます」といって体験談を語らせる方式です。

なぜ、サプリメントの宣伝は、体験談式が多いのでしょうか。

サプリメントがプラシーボ効果の高い健康食品だからです。

だからこそ、実際に体験した人の話が効くのです。「私もこれを飲んだから、あんなふうになれるかしら」と思わせることが第一歩です。受け手の「元気になりたい」「若返りたい」という願いを「若返るに違いない」という思い込みにかえます。そんな思い込みを抱いて服用するから、効いているような気持ちがするのです。

もしも、なんだかわからない錠剤を渡され「毎日飲みなさい」といわれたとしたら、おそらくほとんどの人は身体の変化を実感できないでしょう。元気でいきいきしている人が「膝にすごく効くよ」と教えてくれるから、膝の痛みが消えるのです。

価格設定も大事です。サプリメントの価格はピンきりです。あまりに安すぎれば「本当に効くの?」と思ってしまうところですが、一万円もすれば、高価ゆえに効きそうな気持ちがします。

サプリメントを飲むのかどうかを決めるのは自分自身です。飲んでいることで膝の痛みが消えた、身体が元気になったというならば、プラシーボ効果がよくあらわれているのでしょう。そうした人は続ける価値が、もしかしたらあるのかもしれません。

(宇多川久美子著書:『その「1錠」が脳をダメにする』より抜粋)


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