薬を使わない薬剤師の“健康自立ブログ”

便秘薬を飲みつづけると大腸がやばい?!その一錠が次の便秘を作り出す?? 

薬が引き起こす便秘もあります


女性の悩みで多いのは、やはり便秘です。
肌荒れ、ニキビ、膨満感。
食欲低下、何をするにもおっくうでユーウツな気分……つらい症状です。

ついドラッグストアに並ぶ「便秘薬」に頼ってしまいたくなる気持ちもわかります。

はじめに市販されている便秘薬の作用について説明しましょう。

便秘薬の働きは2つ


・大腸を刺激して、蠕動(ぜんどう)運動を活発にすること
(蠕動運動とは芋虫のような動きで便を前へ前へと送り出す運動です。)

・大腸内にとどまりすぎて硬くなってしまった便に水分を浸透させてやわらかくし、排出しやすくする働きです。

たとえば有名な「コーラック」にはビサコジルという大腸刺激成分としてメジャーな成分が配合されています。

このほか、センナや酸化マグネシウムも便秘薬の主成分にはよく使われます。
ちなみに、「コーラックⅡ」という商品にはビザコジルのほか、DSSという便に水分を浸透させやすくする成分も入っています。
DSSも便秘薬の成分としてよく見られます。

市販の便秘薬は、それほど心配される副作用もなく、安心して飲める薬です。
ですから、本当につらい時や、痛みもあるような時は飲んでもいいと思います。

ただ他の薬と同様、便秘薬もやめられなくなると危険です。
便秘薬を初めて使った時は、おそらく効果テキメンだと思います。

その“成功体験”が2度目、3度目を誘います。そして、だんだん手放せなくなっていきます。

「薬が出してくれるからいいや」と腸が怠ける

腸が怠けるしかし、どんな薬にも言えることですが、体に薬を入れることで、体が本来持っている力が削がれてしまうというマイナス面があります。
便秘薬の場合、薬によって腸の動きを活発にして排出させるわけですが、それは本来、腸が自然に行う活動であり、腸のお仕事です。
薬を飲みつづけていると、「薬がやってくれるからいいや」とばかりに腸が怠けることを覚えてしまいます。

それに、薬を飲みつづければ、だんだんと効き目が薄くなるので、飲む量が増えていきます

ひどくなると、ひと瓶飲んでも効かない、なんてことに。

その時、腸内で起きているのは痙攣性の便秘です。

大腸が痙攣して動かない状態です。

それはたとえば激しい運動で痙攣を起こした筋肉に、さらに動け動け! とムチ打つようなものです。
動きませんよね、いくらムチ打っても。
ではどうするか?

腸の場合はまず温めることです。

 

穀物ダイエットが便秘の原因に

そもそも、なぜ便秘するのでしょうか?
いろいろな理由が考えられますが、ひとつはお腹が冷えていることが原因です。
身体のどこでもそうですが、冷えると血流が悪くなります。

血流が悪くなれば、筋肉の動きも悪くなりますね。
お腹が冷えれば腸の動きも悪くなってしまいます。

ですから夏でもおへそが出るような服を着ない、お風呂に入って温まる、冷たいものをガブガブ飲まない、など注意できることはたくさんあります。腸を温める食事も重要です。
みなさんもよくご存知の通り、食物繊維が豊富な食物は有効です。
先日、とんかつ屋さんに入った時、驚いたことがありました。
隣のテーブルで若い女性がとんかつ定食を食べていたのですが、なんと、とんかつだけ食べて、付け合わせのキャベツを食べていないのです。

とんかつはキャベツとセットで食べるからこそ栄養バランスが取れ、胃がもたれないのに。
逆に、ファミレスでよく見る光景として、サラダばかり食べている女性がいます。
温野菜や根菜ならまだしも、レタスなどの葉ものやキュウリ、トマトなど夏野菜ばかり食べていると、お腹を冷やしてしまいます。
そして忘れてはならないのが穀物です。

最近、ダイエットのためか炭水化物を食べない、特にご飯を食べない若い女性が増えています。
しかし、いい便をつくるいちばんいい材料は穀物なのです。それもパンやパスタなどの挽いた穀物より、ごはんや玄米などの穀粒のほうがいいのです。

便秘の原因食事のかたよりや運動不足、ストレス、睡眠不足などいろいろありますが、「ごはんの量が少ない」ことも挙げられます。

そもそも食べる量が少ないので、便がちょっとしかできない。
ちょっとしかできないから、大腸内の便を前に押し出せなくて便秘になるんです。

便秘すると食欲が低下して、ますます食べなくなります。
すると?ますます便ができない⇒ますますたまる⇒ますます食べない
という悪循環です。

お肌にとってもダイエットにとっても、便秘は大敵。

穀物ダイエットで便秘になるか、穀物を食べてしっかり排出するか、どちらが美容と健康にとってよいかは明らかでしょう。

自分ですぐできる解消術は大腸を揉むこと


大腸は臓器の中では珍しく、自分で揉むことができる場所にあります。
お腹の上からモミモミすることができます。
外から刺激を与えることができるのです。

便秘は直腸に便がたまっている状態ですから、外から揉んであげることは有効です。
そしてダントツに効くのが、言わずもがなの運動です。

便秘しがちの人には運動不足の人が多いのです。運動すれば、当然、大腸も動きます。大腸を動かしましょう!

旅行に行くと便秘になる人のための改善策


腸は「第2の脳」と呼ばれているのをご存知ですか?
どういう意味かというと、人間の身体は頭の脳からの指令に応じて動いているのですが、腸だけは別なのです。
腸は独自に考える力を持っているのです。
脳のように考え、動くのが腸です。
それほど腸は賢く、またデリケートな臓器と言えます。
環境が変わったことが腸にはわかる
だから、旅行や出張に行くと便秘しちゃう人が多いんですね。

読者の中にも、環境が変わると便秘になっちゃう人がいらっしゃることでしょう。

旅行に行くと、脳は「今はいつもと違う場所にいる。違う環境にいる」と理解できるので、それなりに対処することができます。
食べる料理も食べる時間も違うよ、寝る場所も違うよ、と理解できます。

ところが腸は独自に考えています。

旅先で「むむ、何かいつもと違う」と感じて緊張してしまうこともあります。そうすると腸の動きが鈍くなって便秘しやすくなるのです。

環境が変わらなくても、いつもと違う何らかのストレスがかかれば、それに腸が反応します。
たとえ脳がボーッとしていても、腸は反応します。
それぐらい腸はデリケートな性格。
ですから旅行や出張に行くとか、いつもと違う環境で過ごすとか、腸がどう反応するかわからない時は、お守りとして便秘薬を持って行くのはアリだと思います。

自前の善玉菌の育て方


最近、過敏性腸症候群の人も増えています。
これはお腹の痛みに下痢や便秘が伴う症状です。
深刻な状態になると、通勤電車に乗っている間に、ひと駅ごとに降りなければならないほど差し迫ってしまう。
これでは会社に着く前からグッタリですよね。

この症状、特に女性の場合、便秘とセットになっていることが多いです。
原因は便秘と似ています。ストレス性であると同時にお腹が冷えていたり、運動不足で腸がちゃんと動いていなかったりするのです。
便秘と下痢はセットと考えてください。ですから前回ご説明した便秘を解消するための生活習慣は、下痢のそれにそっくり当てはまります。
善玉菌を育てる便秘と下痢の、根本的な解決方法も同じです。
どちらも腸内環境が乱れることで発生します。
ですから、根本的な解決策は腸内環境をいい状態に保つこと。
食事から食物繊維や穀物をしっかり摂ることや運動も大事ですが、腸内の善玉菌を育てて増やしてあげることが大腸にとっては何よりいいことです。

善玉菌を増やすためには、善玉菌が食べるエサを補給してあげるのが一番です。
善玉菌の好物といえば、ヨーグルトとか納豆とかキムチとか、つまりは発酵食品です。

テレビのCMでは、“○○菌がそのまま腸に届く”ヨーグルトやサプリメントを見ますが、私は善玉菌そのものを口から摂取するよりも、善玉菌のエサとなるものを摂取する方が効果的であり、合理的だと考えています。
なぜならいくら善玉菌を食べても、それは胃や小腸で消化、分解されてしまうだろうし、なんとか大腸までたどり着いたとしても、その腸内環境を気に入ってくれるとはかぎらないからです。

それより、もともと自分の腸に生息している、自分の善玉菌を増やすほうが理にかなっているのではないでしょうか。
その意味では、「ビオフェルミン」「エビオス」のような整腸剤は善玉菌のエサになります。

便秘と下痢の繰り返しに悩んでいる人には、便秘薬や下痢止めよりも整腸剤のほうが、効果があると思います。
といっても整腸剤に頼るのではなく、食事や運動によって自前の善玉菌を増やすことがいちばんの治療法であることを忘れないでください。

食事に発酵食品を取り入れ、栄養バランスよく食べて、運動して、体を冷やさない。

育てよう自前の善玉菌!


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(文=宇多川久美子)


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