厚労省も推奨!「ウォーキング」
薬に頼らない生活を実現するために、食事と並んで重要なのが運動です。
厚労省も推奨していますが、私も運動するなら「ウォーキング」をおすすめしています。ヨガの場合だとウェアやヨガマットなどをそろえて、ヨガ教室に習いに行かなくてはいけませんし、スイミングだったら水着に着替えてどこかのプール施設を利用しなければいけない。ジムもいいですが、それなりの費用がかかります。
でも、ウォーキングなら道具も費用も必要なく、今すぐ誰にでもできます。誰かと一緒に歩くのもいいですが、一人でもできる気安さも魅力のひとつだと思います。手間がかからないから、続けやすいという側面もあります。
しかも近年になってウォーキングは、足腰をはじめ、身体全体を鍛えるだけでなく認知症の予防やその進行の抑制にも役立つことがわかってきたのです。
ウォーキングのコツ
1)歩き始めるときは、まず背筋をピンと伸ばした姿勢で立つこと。
2)そして、「吐いて、吸って」を意識的に繰り返しながら、リズミカルに歩くこと。
ウォーキングのすごい効用で人生が変わる
身体の内部にあり、骨格や関節を支えている「インナーマッスル」は、基礎代謝に大きく関わっています。これは、ウォーキングなどの有酸素運動によって鍛えられます。
基礎代謝アップ
↑
インナーマッスル
ウォーキングの有酸素運動で鍛えられる
また、歩くことによって筋肉から分泌される「マイオカイン」という物質には、さまざまな作用があることがわかっています。血圧や血糖値、コレステロール値を下げ、脳を活性化してくれるのです。
ウォーキングで筋肉から分泌
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マイオカイン
血圧、血糖値、コレステロール値を下げ、脳を活性化
さらに、歩くことで刺激が加わると、骨から「オステオカルシン」という物資が分泌されます。オステオカルシンには、血糖値を下げる作用、強心作用などのほか、海馬を活性化して認知機能を活性化することがわかっています。歩くことが認知症の予防になることも納得できます。
ウォーキングで刺激が加わると骨から分泌
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オステオカルシン
血糖値を下げる、強心作用、海馬を活性化して認知機能を活性化
女性にはコラーゲンの分泌を促す、といううれしい効果もあります。
ウォーキング
↓
コラーゲンの分泌
空を見上げて、季節の風を感じながら歩き、道行く人に挨拶をすれば、自然と気持ちが明るくなっていきます。認知症予防にはクロスワードパズルも一興ですが、一歩でもいいので外に出てみてください。たとえ、一日5分でも10分でもいいので、歩くことを習慣にしてほしいと思います。
考えてみてください。
私たちの日々やっていることといえば、動く、食べる、寝る、のいずれかです。この3つ以外のことはやっていないのです。このうち、「食べる」と「動く」を改善すれば、身体は変わっていきます。
また、厚労省は、適度な運動が快眠につながると指摘していますので、動くことは「寝る」ことに直結するのです。
生活習慣病は薬では治りません。薬は症状を抑えているだけにすぎません。何歳からでも、生活習慣病の改善は可能です。薬に頼りたくないと思っている人は、一度、自分の「動く」と「食べる」を見直してみてください。
(宇多川久美子著書:『薬剤師の本音』より抜粋)
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