市販薬と処方薬の違いは?
病院で処方せんを出してもらって調剤薬局で買う処方薬。
そしてドラッグストアや薬局で販売している市販薬。
ご存知のように、薬の流通スタイルには主に、上記の2種類があります。
「処方薬は強く市販薬は弱い」=「市販薬は副作用がほとんどない」
というイメージが蔓延しているようですが、これも大きな誤解です。
処方薬は、医師が患者さんの症状を聞いて「オーダーメイド」で処方してくれますが、市販薬は箱に入った「既製品」です。
たとえば、風邪薬の場合、病院では、熱、咳、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、喉の痛みなど、そのときの症状を抑える薬が何種類か処方されます。
薬局で買う場合は、それらの症状を抑える薬が1錠の中に混合されているものがほとんどです。それぞれが適量ずつ配合されているということは、全く出ていない症状の薬も飲むということになってしまいます。
処方薬と市販薬の流通スタイル
また、処方薬と市販薬は、前述した通り流通スタイルも違います。
服用する側からすれば、処方薬は医師が出すものであり、自分でチョイスすることができないけれど、市販薬は自分で選ぶことができる薬というわけです。
もちろん、処方薬は保険が適用されるけれど、市販薬は全額自腹という違いもあります。
普通薬、劇薬、毒薬の区分ですら一般的なガイドラインにすぎません
薬の強さというのは、投与量に対する急性毒性の強さ、つまり安全域の幅などによって区分されており、普通薬、劇薬、毒薬という3つのジャンルで表されています。
たとえば、普通薬は1錠服用すべきところを誤って2錠飲んでも生死に関わらないけれど、10錠飲んだら死んでしまう強さであるとしたら、毒薬は1錠服用すべきところを誤って2錠飲んでしまったら死んでしまうといった具合です。
劇薬や毒薬は市販薬として流通していませんが、市販されている普通薬であっても、用法・用量を間違えて、たくさん飲めば十分致死量に達してしまいますし、市販薬だから副作用がないということにはならないのです。
ちなみに最近ロキソニンという鎮痛剤が市販されるようになりましたが、この薬は数年前まで処方薬であり、調剤室では劇薬の棚に置かれていたものです。市販されるようになってから、劇薬の棚から普通薬の棚に移されることになりましたが、置かれる棚が変わっても成分に何ら変わりはありません。
また普通薬、劇薬、毒薬の区分ですら一般的なガイドラインにすぎません。たとえ普通薬であっても、用法・用量を守ってさえいれば100%安全、ということにはならないのです。
なぜなら、感受性は人それぞれであり、同じ人でもそのときの体調によって感受性が異なるからです。
(宇多川久美子著書:『薬剤師は薬を飲まない』より抜粋)
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