飲み続けると、蠕動(ぜんどう)運動が起こらなくなる
便秘は、冷えとならんで女性の身体の悩みの代表です。
頑固な便秘に悩み、便秘薬を常用している人もいると思います。ですが、便秘薬も使い続けていると、だんだんと効かなくなってきます。それで量を増やしたり、強いものを使ったりするようになるわけですが、これはとても危険なことです。
便秘薬の多くは、大腸を刺激して強制的に蠕動運動を起こさせる薬ですから、効かなくなるということは、刺激されても大腸が蠕動運動をしなくなってきた、ということなのです。
便秘薬を飲み続ければ、どんどん大腸の動きは低下して、最悪の場合は蠕動運動が止まり、腸閉塞を引き起こしてしまいます。こうなると自力では排便できませんから、そんな事態に陥る前に、薬をやめた方がいいのです。
便秘を放置するのも大問題です。
苦しいという症状のほかに、免疫力の低下という目には見えないもっと重大な影響があるからです。
腸は、人体最大の免疫機関です。
体内にある免疫細胞の七割が腸に集中していて、腸で作られた免疫細胞が体内を巡っているのです。
ところが、便秘になると腸内環境が悪化します。老廃物が溜まっているのですから当然ですが、そうなると乳酸菌などの善玉菌が減り、悪玉菌が増えていきます。そして、腸内細胞のバランスが崩れ、有害細胞やウイルスを感知できなくなるなど、免疫システムが乱れてしまうのです。
また腸は「第2の脳」とも言われていて、約一億個もの神経細胞のネットワークが張り巡らされています。しかも、脳内の神経伝達物質のかなりの部分を、腸が作っていることもわかってきました。
たとえば、やすらぎや幸福感を与えてくれる神経伝達物質・セロトニンは、95%が腸で作られているという報告もあります。つまり、セロトニンが減ることで起こるうつ状態などにも、腸がかかわっている可能性があるわけです。
便秘薬に頼らずに排便習慣を取り戻す方法
自分で排便できなくなったり、免疫力が低下したり、うつ状態になったりしないためには、便秘薬に頼らずに排便する習慣を取り戻すことが大事です。
それには、どうすればいいでしょうか?
【基本編】
食物繊維の多い食べ物を摂ること
水分をしっかり摂る
食べ物の総量もある程度必要
※ダイエットをしていて食べる量が少ないと便秘になることもあります
朝起きたらおなかに大きく、手で「の」の字を書くようにマッサージ
【生活編】
副交感神経が優位になるようになるような生活を心がける
私たちの身体の働きをコントロールをしている自律神経には、交感神経と副交感神経がありますが、腸は副交感神経が優位になると働きます。
副交感神経は、リラックスしたときに働きが高まる神経です。
ゆっくりお風呂に入る
好きな音楽を聴く
よく笑う
普段から副交感神経が優位になる時間を作るように心がけることが、便秘解消に役立ちます。
【リズム編】
そして、自分の身体のリズムに耳を傾けることも大事です。
便秘薬を常用している人のなかには、「1日に1回必ず排便しないといけない」と神経質になっている人もいますが、排便リズムは人それぞれです。
1日に3回排便するという人も、3日に1回という人もいていいのです。
自分の身体を平均に合わせるのではなく、身体の声に耳を傾けて、自分のリズムをつかむこと。
それができれば、自ずと便秘は解消されるはずです
(宇多川久美子著書:『薬を使わない薬剤師の「やめる」健康法』より抜粋)
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