薬の多くは「食後服用」となっています。具合が悪く、食欲もないのに、薬を飲むために無理やり、ごはんやパンを詰め込み、さらにぐったり……。身に覚えのある人も多いのではないでしょうか?
「食後服用」を指示されるのには、主に二つの理由があります。
「食後服用」の2つの理由
まず一つは飲み忘れの防止です。
食事をしたかどうかを忘れてしまう程の重症の認知症の人は別として、普通は食事をとり忘れることはまずないでしょう。そこで「食後に薬」としているのです。
こうすると食後服用のために多少吸収率が悪くなったとしても、飲み忘れすことは減るからです。
二番目の理由は胃粘膜の保護です。
薬剤が胃の中で溶け出すと胃粘膜に刺激になってしまうものもあるからです。
しかし、一般的に薬剤は胃から吸収されるよりも腸に行ってから吸収されるもののほうが多く、胃を保護するために腸に行ってから溶け出すような腸溶剤にしてあるものもたくさんあります。また、もともと胃粘膜には刺激の少ない薬剤もたくさんありますので、食後にこだわって服薬させる理由は必ずしもありません。
ただし、風邪などの時に処方される解熱鎮痛剤などは、胃を刺激することがあるので、食欲がないようなら多めの水でゆっくり服用するようにしましょう。発熱により脱水症状を防ぐこともできます。
つまり、薬のために無理やりごはんを食べる必要はないということ。
大事なのは、調子が悪いときは休んで、とにかくエネルギーを消耗しないことを、最優先することです。身体を治すことに全エネルギーを集中させるのです。
身体を治すエネルギーを補給するために、食べたほうがいいのでは?と思うかもしれませんが、消化をするのにも実は大変なエネルギーを使います。食欲があるのならともかく、食後服用の薬を飲むために無理に食べるというのは、余計なエネルギーを使わせます。
身体を治すために身体に無理を強いるなんて本末転倒ですよね。
そもそも人は1日や2日、何も食べなくても、蓄えている脂肪や筋肉からエネルギーはつくれます。
自然界には薬も病院もありません。動物は体調が悪いとひたすら寝て、治してしまいます。動かず、食べることもせずに、ただひたすら身体を休め、エネルギーを使わない。
食欲がなければ食べずに、ただひたすら寝ていればいいのです。治しているのは薬ではなくあなたの中の名医ですから。
ただし、水分補給だけは別。命に関わります。しっかりとってくださいね。
(宇多川久美子著書:『薬が病気をつくる』より抜粋)
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