薬を使わない薬剤師の“健康自立ブログ”

なぜ薬を飲むと副作用が起こるの?

人の身体にとって、薬は「異物」である


私は全面的に薬を飲むべきではないと主張しているわけではありません。

もちろん、極端に血圧やコレステロール値、あるいは血糖値の高い人が、余病を防ぐために、その数値を下げる必要があることは言うまでもありませんし、実際、薬を服用すれば数値は下がっていくものです。

しかし問題があります。

薬はそのほとんどが自然には存在しない合成物で、人の身体にとっては「異物」だということです。本来、排除すべきもの・・・極端なことをいえば毒物なのです。薬はよい作用を期待できる一方、確実に悪い作用をも引き起こすということです。

あなたはお医者さんが処方してくれた薬は絶対安全だと思っていませんか?


そのせいか、自分が飲んでいる薬がどんな成分の薬なのかも知らないし、自分が飲んでいる薬の名前も知らない人が多くいます。

実際、「あなたは何という薬を飲んでいますか」と尋ねても、「名前は分からないけど、とにかく血圧の薬を飲んでいます」などと答える人が実に多いのです。

しかし、効きがいい薬ほど、どこかで悪さをしていることは確実で、副作用のない薬なんてありません。でも、多くの人はそのことを忘れてしまっている、あるいは知らないままでいるようです。

薬の副作用とはいったいどんなもの?


そのメカニズムにはいろいろあるのですが、ごく簡単に説明しておきましょう。

薬を飲むと、その成分は身体の中を巡りますが、最後は酵素で分解されます。

例えば、血圧の薬の成分もある程度の時間がたつと、肝臓から出る酵素によって分解(解毒)されて無害なものとなり、最終的には体外に排出されます。もし、分解されないまま、いつまでも体内に留まるようなことがあれば、血圧が下がり続けて命にかかわることになってしまいます。

ところが、この解毒作用は人によってかなり差があり、薬の副作用が、いつ、どんな形で現れるか人それぞれなのです。

薬を解毒する作用はアルコールを例にとるとわかりやすい


アルコールに強い人もいれば、極端に弱い人もいると思います。それは次のような理由からです。

まず飲酒により体内に入ったエチルアルコールは、胃や小腸から吸収され、肝臓のアルコールデヒドロゲナーゼという酵素(アルコール脱水素酵素)によってアセトアルデヒドに分解されます。

そのアセトアルデヒドは、アセトアルデヒドデヒドロゲナーゼ(アセトアルデヒド脱水素酵素)によって酢酸に分解され、無毒化されます。

そして酢酸はさらに二酸化炭素と水に分解されて、最終的に体外へと排出されます。

ところが、人によって、その酵素の力がそれぞれ違っているのです。お酒が極端に弱い人は、アルコールまたはアセトアルデヒドを分解する酵素を持っていないことが考えられます。

そのため、ほんのちょっとお酒を飲んだだけでも、体内で有害なアセトアルデヒドが分解されず、吐き気を催したり、頭が痛くなったり、顔が真っ赤になったりしてしまうなど、過剰な反応を起こしてしまいます。

その一方で、浴びるほどお酒を飲んでも、全く平気な人もいます。そういう人はアルコールを分解する酵素をたくさん持っており、飲んでもどんどん解毒してくれるので、なかなか酔わないのです。

また、逆に、アルコールにどんどん強くなり、酔うまでの量が増えていく人もいますね。これはアルコールに対して耐性ができて、なかなか酔わなくなった(つまり効き目が悪くなった)ということです。

薬もそれと同じです。

市販の頭痛薬でも、半錠飲んで効く人もいれば、3錠飲まないと効かないという人もいます。

薬を分解する酵素を持っているかどうかは、実際に薬を飲むまで分からない


よくつかわれている鎮痛剤でも、ほとんどの人はまったく平気なのに、薬疹が出たり、なかには激しいけいれんなどの副作用を起こしたりする人もいます。

薬を分解する酵素も1種類ではありませんから、どの酵素を持っているのか、あるいは持っていないかは、実際に薬を飲むまでわかりません。それぐらい人によって差が出るものであり、だからこそ、薬の副作用はそれほど怖いものなのです。

病院で処方された薬だからといって絶対安心ということではありません。それどころか、よく効く薬には必ず副作用があり、なんらかの悪さをしているのだということをしっかり知って欲しいと思います。

宇多川久美子著書:薬剤師の私が実践する薬に頼らず健康に暮らす27の習慣より抜粋


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