「日本人のがん死亡率が減らない本当の理由」を皆さんと一緒に考えていきたいと思います。 私が考える全ての病気の最良の治療法「ファスティング」。 当協会では定期的にファスティング合宿を開催しています。 3日間のファスティング合宿で、きっとあなたの人生が変わります! 昨年のノーベル医学生理学賞を受賞された大隅先生の「オートファジー(自食作用)」はまさに過食によって機能低下してしまう細胞のリサイクル作用は飢餓を作ることで活性化するのです。 オリジナルのファスティングドリンクで行う3日間のファスティング合宿。私、宇多川久美子が徹底的にサポートさせていただきます。
ファスティング合宿
なかなか減らない、がんで亡くなる日本人
現在、日本人の死因の1位は誰もが知っているとおり「がん」で、死亡者数のおよそ3割を占めています(2015年、厚生労働省人口動態調査)。
日本で、がんが初めて死因の1位になったのは1981年のこと。それ以来、がんの死亡者数は年々増え続け、がんは現在にいたるまで死因1位の座を不動のものとしています。
この数字が物語るとおり、がんは多くの人の命を奪う恐ろしい病気です。がんと聞けば、誰もが深刻にならざるを得ないほど、その恐ろしさが周知されています。
それだけに、がん治療の研究は絶え間なく続けられていて、研究の成果として、新しい技術、新しい薬が次々に開発されています。
また、日本では、国民が公的医療保険に加入し医療費を互いに支え合う「国民皆保険制度」があるため、基本的に誰もが平等に医療の恩恵を受けることができます。
さらに、1カ月の医療費の自己負担額が一定額を超えた場合は、超過した金額が後から払い戻される「高額療養費保険制度」もあり、国内で保険適用されている最先端の医療を誰でも受けやすいのです。 今、話題となっている超高額薬価の抗がん剤「オプジーボ」も基本的には誰でも使うことができます。
普通に考えるなら、がん治療の進展に伴い、医療環境が整った日本におけるがんの死亡者数は年を追うごとに圧倒的に減っていくはずです。
ところが、実際には、この日本において、がんで亡くなる人の数は年々増えつづけています。
がん治療の研究は継続的に行われているというのに、なぜ死亡者数は減少しないのでしょう?
私たちが暮らす日本のみならず、世界の国々においても、がんの死亡者数は増えつづけているのでしょうか?
がんは無限に増殖する、というのは本当か?
がんは細胞のイレギュラーによって起こる病気です。
私たちの身体は60兆個(近年の研究では約37兆個ともいわれています)の細胞からできていて、それらの細胞は自らをコピーし、細胞分裂をくり返しています。
正しくコピーが行われていれば問題はありませんが、何度もコピーをする中で、うまくコピーできないもの、いわゆるコピーミスが起こります。それが「がん細胞のもと」になるのです。
誰の身体でもコピーミスは1日5000回程度起こる、つまりがん細胞のもとは1 日に5000個ほどできるといわれています。
「1日に5000個」と聞くと、絶望的な気分になりますが、こうした「がん細胞のもと」は、ほとんどが修復されたり、死んでしまったりします。たとえ修復されずに生き残った「がん細胞のもと」があっても、NK(ナチュラルキラー)細胞と呼ばれる免疫細胞が、修復されなかった「がん細胞のもと」を食べてくれるので、「がん細胞のもと」は体内から消滅していきます。
しかし、万が一NK細胞が「がん細胞のもと」を見逃してしまうと、「がん細胞のもと」が生き残り、分裂をくり返すことになるのです。
正常な細胞であれば、分裂を数十回ほどくり返すと死滅(アポトーシス)し、新しい細胞に入れ替わります。しかし、イレギュラーである「がん細胞のもと」は死滅することなく分裂をくり返し、増えつづけていくのです。
1つだった「がん細胞のもと」が2つになり、2つが4つになり、4つが8つになり……と、「がん細胞のもと」が増殖をくり返し、その数を増やしつづけていくと、やがてがんとして認識されます。
「がん細胞のもと」が増殖をはじめ、それが大きくなりがんと呼ばれるようになるまでには、およそ10年かかるといわれています。というのは、がん細胞がたとえば、1 センチ(細胞数10億個)になるまでの期間は約10年と考えられるからです。
たとえば60歳でがんと診断された人は、50歳くらいの頃から、「がん細胞のもと」が成長しはじめていたのかもしれません。
現代の西洋医学では、がんは無限に増殖するとされています。これは近代医学の祖といわれるウィルヒョウ(1821〜1902)の「がん細胞増殖説」に基づくものです。
ウィルヒョウは「がん細胞は、ひとたび発生すると無限に増殖を続ける」と主張しました。
しかし、その説に沿うと、納得できない面があります。
がんは、1回分裂すると2個になり、2回分裂すると4個……(中略)……40回で 1兆個になります。
この計算でいくと46回目の分裂で64兆個となり人間の細胞の数とされる60兆個を超してしまいます。50回分裂したら、がんは人間の身体よりはるかに大きくなってしまいます。
ウィルヒョウの理論では「正常な細胞の多くは、分裂を数十回くり返すと、それ以上の分裂能力を失うか、細胞が自然死(アポトーシス)するように設計されている。
しかし、DNAに異常のあるがん細胞は、アポトーシスすることなく分裂を続ける。そして分裂・増殖をくり返し、ついには宿主(患者)を死に至らしめる」とされています。
これは150年も前の時代の話です。
私たちの体内には毎日5000個ともいわれるがん細胞(のもと)が発生しています。ウィルヒョウの説が正しければ、人類はとっくに滅亡しているはずです。毎日がん細胞ができているのに人類が100万年以上も生き延びているのは、NK細胞をはじめとして身体の免疫システムが、がん細胞の増殖を抑えてくれているからです。
ウィルヒョウの時代には免疫細胞の存在すら見つけられていませんでした。ですから「がん細胞・無限増殖論」に世間は納得したかもしれません。
しかし、免疫細胞の存在が明らかになった現代でも、なぜかまだウィルヒョウの説が定説となっているのです。
日本人のがん死亡者数が減らない原因のひとつは、いまだに「がん細胞・無限増殖論」を信じるあまりに、自分自身が持っている免疫の力を忘れてしまっているからではないでしょうか。
長寿だからがんが減らない?
身体が万全の状態であればNK細胞などの免疫システムが十分に反応し、「がん細胞のもと」を攻撃しますが、疲れやストレスがたまってしまうと免疫機能が不十分になり「がん細胞のもと」を見逃すことが多くなります。また、歳を重ねれば、身体の機能も衰え、細胞をコピーする際にミスも多くなります。
つまり高齢になるほど、がんを発症するリスクは高まるのです。事実、国立がん研究センターがん対策情報センターの年齢階級別のがん罹患率(2011年全国推計値)を見ると、50歳から急激に高くなっていきます。
長寿大国の日本で、がんの死亡者が増え続ける背景に、長寿が関係していることは否めません。
とはいえ、本当の意味でがんの研究、治療方法が進んでいるのであれば、毎年30万人以上もの方が亡くなり、死亡者数が毎年5000人も増えつづけることはないでしょう。
単に高齢化が進んだという理由だけで、がん患者が増え、がんで亡くなる方が増えたことを説明することはできません。
確かに医療が目覚ましい進歩を遂げている部分もあります。しかし、がんをはじめとする慢性疾患に関しては、ほとんど進歩が見られないのが現状です。なにしろ生活習慣病の患者数は一向に減っていないのですから。
がんに関しては、検査技術が進歩し、以前にくらべ早期のがんを見つけられるようになりました。そのため一見、治療効果があがってがんの死亡率が下がっているように映るデータもあります。しかし、これは単に、より早期のがんが発見できるようになり、がんを発見する数が増えたことや早期発見の分だけ生存期間が延びて、がんの生存率が上がったかのように見えているからではないでしょうか。
つまり、ある程度進んだがんに対する治療効果は、以前からあまり変わっていないというのが現状なのではないでしょうか。
結局、日本でがんの死亡者数がそれほど減らない理由は、高齢化だけではないようです。
アメリカではがんの死亡者数が減っている!?
日本に先駆け、アメリカでは1960年代からがんをはじめとする生活習慣病が増大していました。ふくれ上がった医療費がアメリカ経済をひっ迫するようになり、1970年代初頭、政府により治療技術の改善を図るべく、巨額の予算が投じられました。ところが、効果はまったく上がらず、がんによる死亡者とがん罹患者は増え続けました。
医療費の縮小に向けた何らかの打開策が待たれる中、1977年にあるレポートが発表されました。
アメリカの上院栄養問題特別委員会が、世界中の慢性病と食事の関係について調査し、その結果をまとめた「マクガバン・レポート」です。
このレポートでは、「アメリカ人の慢性病は肉食中心の誤った食生活がもたらした食原病であり、薬では治らない」とし、「大量の脂肪や砂糖、食塩を摂取していることが心臓病、がん、脳卒中などの病気の原因となっている」と指摘しています。
当時、上院議員であり民主党の大統領候補だったジョージ・S・マクガバン氏が委員長を務めていたことから、「マクガバン・レポート」の名で呼ばれるようになったのですが、レポートの発表後、マクガバン氏はアメリカの医学会や畜産業界から強い反発を受けたため、その後行われた大統領選挙で落選したといわれています。
マクガバン氏のキャリアを阻みはしたものの、このレポートは、治療重視だったアメリカの医療政策が方向転換を図るきっかけとなりました。
そして、1990年に発表されたのが、アメリカの政府機関OTAによるレポートです。
OTAとは「Office of Technology Assessment(アメリカ議会技術評価局)」の略称で、 政策立案のために基礎調査をするアメリカ議会の調査部門を指します。
そのレポートでは、
「抗がん剤・多剤投与グループほど〝命にかかわる副作用〟は7〜10倍」
「抗がん剤で腫瘍が縮んでも5〜8カ月で再増殖」
「腫瘍を治療しないほうが長生きする」
など、従来の常識を覆すような治験結果が紹介されていて、
「抗がん剤では患者は救えない」
「抗がん剤の投与でがんは悪性化する」
と結論付けたうえで、なんと、
「公認のがん通常療法は根本的に間違っている」
と断定しているのです。
このOTAレポートを機に、アメリカではがん治療のあり方が大きく見直されるようになったといわれています。
そして、食事療法、運動療法、音楽療法、免疫力を高める心理療法をはじめとする「代替療法」が国家をあげて推奨されるようになり、この25年間でアメリカではがんによる死亡率は劇的に減少し、現在も減りつづけているというのです。
ちなみにレポートの中で「公認のがん通常療法」と記されているのは、日本でもおなじみの手術、放射線、抗がん剤による治療法のことです。
アメリカが通常療法から代替療法へ移行する一方で、日本ではいまだにこれらを「三大治療」「標準治療」と呼び、がん治療の主流としているのです。
アメリカの平均寿命は先進国では最低といわれていますが、男女を合わせた平均寿命は78.84歳で(2013年調査)、多少なりとも年々延びています。また、程度の違いはあるにせよ、日本と同じく高齢化が進んでいます。
がんの死亡者数が増えつづけている日本と、減少傾向にあるアメリカ。
三大治療にこだわり続ける日本と、三大治療を見直したアメリカ。
果たして、日本におけるがん治療の方向性は正しいといえるのでしょうか…。
抗がん剤のルーツは毒ガス
世界で初めて開発された抗がん剤は、マスタードガスから生まれたものです。 第一次世界大戦で使用された毒ガス「マスタードガス」(イペリットとも呼ばれる)に細胞分裂を抑える機能があることがわかりました。第二次世界大戦中には研究が進み、マスタードガスの誘導体のナイトロジェンマスタードが初めて抗がん剤として使われました。
ナイトロジェンマスタードを改良したシクロフォスファミド(商品名:エンドキサン)はがん細胞に対する殺傷力も高い反面、正常な細胞に与えるダメージも大きく、抗がん剤の中でも副作用の強い薬として知られています。にもかかわらず、現在でも代表的な抗がん剤として多くのがん患者さんに使われています。
人を殺傷するために使われたものをがん治療に使用するとは、なんとも皮肉な話です。
2015年11月に世界保健機関(WHO)が「がんの原因となる116種類の要因」を公式に発表しました。
この中には、喫煙・紫外線・エックス線・ガンマ線・アスベスト・加工肉などが列挙されていますが、なんと、マスタードガスから改良されたシクロフォスファミドをはじめとした多くの「抗がん剤」も「がんの原因」に含まれているのです。
抗がん剤はがん細胞を小さくするかもしれませんが、人体には確実に有害です。
がんは不治の病、苦しい病気というイメージが強いけれど、抗がん剤を使うことによって、その苦しみはさらに大きいものになりうるのです。
確かに、抗がん剤によって一命をとりとめたケースもあります。
医師から「抗がん剤を使わなかったら余命は3カ月だけど、使えば1年」などと説明を受けるケースも見られます。
しかし、「木を見て森を見ず」というように、抗がん剤によってがんを小さくすることだけを見ていては、本当の意味でのがんの治療にはならないのではないでしょうか。がんが「木」なら、身体は「森」です。森全体にも目を配る、総合的な治療が望まれます。
進行したがん、再発したがんについての治療の進歩
現在では、ステージ1のがんに関しては約90%、ステージ2でも70〜80%ほどは治るといわれています。しかし、がんが進行したステージ3になると5年生存率は50%になり、ステージ4になると10〜20%にがくんと落ちてしまいます。
抗がん剤治療は、一般的に、進行したがんに対して行われることがほとんどです。
ある医師からこんな話を聞きました。
「一般の人ががんになった場合よりも、いざ医者ががんになった場合のほうが抗がん剤治療より代替療法に頼る比率が高いというデータがある。これは自分の周りでもそうだと思うし、納得できることだ。なぜなら、多くの医者たちも、西洋医学だけでがんの治療が完結するとは本音ではさらさら思ってはいないのだから」と。
「進行したがんについて治療の進歩が見られないのは、なぜなのか?」「現状の三大治療(標準治療)は最善なのか?」ということを、医療従事者はもちろん、治療を受ける患者さん側もまた、改めて考えてみるべきではないでしょうか。
抗がん剤が有効ながんもある
がんは身体のさまざまな場所にできますが、大きくは固形のがんと血液のがんに分けられます。
固形のがんは、臓器の表皮や上皮、筋肉や骨にできるがんで、肺がん、胃がん、乳がん、大腸がんや骨肉腫などがあります。
血液のがんは、白血球・赤血球・血小板など血液をつくる組織の異常によって起こるがんで、悪性リンパ腫や白血病などがあります。
身体の特定の部位にとどまる固形がんに対し、身体中を巡る血液に関係して生じるがん。こうしたがんの形状の違いは、抗がん剤の効き目にも大いに影響します。
抗がん剤は血液に乗って身体中を巡るため、血液のがんであれば、抗がん剤は直接作用し、その効果を発揮できるのです。
白血病や悪性リンパ腫などは、今や抗がん剤によって治るがんといわれているほどです。
最近は、薬の弊害を知り、「抗がん剤は絶対に使いたくない」という方も少なからずいらっしゃるようです。 抗がん剤のことを十分に調べたうえで、ご自身が納得し決断されたことならよいのですが、もしも、白血病や悪性リンパ腫といった抗がん剤が有効ながんにもかかわらず、聞きかじった情報だけで抗がん剤を拒んでいるとしたら、なんとももったいない話です。
「薬を使わない薬剤師」と自称しているとはいえ、主作用が副作用を大きく上回り、効果が十分期待できるケースであれば、私も抗がん剤の使用を検討します。
よく誤解されるのですが、私は「何がなんでも絶対に薬は使わない」といっているわけではありません。「薬はよい作用ばかり期待して使うべきではない。どんな副作用があるかをきちんと知ったうえで、適切に使うもの」とお伝えしているのです。
ですから、自分や家族が万一がんになった場合は、その時点でできうる限りの情報を集め、どんな治療が効果的なのかをじっくり考え、抗がん剤による治療がもっとも有効と判断した場合は、それを使う選択をします。
しかし、何度もくり返しますが、がんも生活習慣病です。治療によってがん細胞が消えても、がんをつくる原因まで消えたわけではありません。そこから先の生活習慣を見直し、あらためることが何より大切なのではないでしょうか。>
がん発覚で、自殺リスクが上がる
医師から「あなたは○○がんです」と告げられたら、ほとんどの人は大きな衝撃を受けることでしょう。
現在どんな状態で、これからどう病状が進んでいくかといった詳しい話を聞く以前に、「がん」と診断された事実に激しく動揺してしまうのではないでしょうか。
「がんといわれて、頭が真っ白になってしまい、病院から家までどうやって帰ったのか覚えていない」という話もよく聞きます。
国立がん研究センターが1990年から20年間にわたって行った調査では、「がんと診断され告知から1年以内に自殺した人の割合は健常者の20倍以上」と報告されています。日本全国の40〜60代の男女10万3000人を対象に行われたものですが、がんが見つかった人はこのうちの1万1000人で、診断後1年以内に自殺した人は13 人、外因死で亡くなった人は16人でした。
これらの数字から、がんの診断から1年以内の自殺リスクは24倍、外因死のリスクは19倍であることが明らかになったのです。
外因死というのは、注意が散漫になり、歩行中に車にはねられたり、高いところから落ちたりして亡くなる、事故死のことです。
がんと告げられた人は、あたかも「あなたはもう死ぬ」といわれたかのように大きなショックを受け、恐怖感や絶望感にさいなまれるのです。
たとえば、死亡原因第3位の肺炎。体力が衰え免疫が下がっている人にとっては致命的となる病気であり、決して侮ることはできないものですが、もし「あなたは肺炎です」と診断されても、おそらくがんのように大きなショックは受けないのではないでしょうか。
ましてや、肺炎といわれて自ら命を絶つ人などいないでしょう。確かにがんは恐ろしい病気ですが、日本人は必要以上にがんを恐れる「がん恐怖症候群」といえるでしょう。
がんと告げられ、「俺はもう死ぬんだ」と絶望的になるのも、「これまで一生懸命がんばってきたのに、なぜ私ががんにならなきゃいけないの」と悲観的になるのも、「がん恐怖症候群」のあらわれです。
人間の身体とは非常に不思議なもので、心が「自分はもうだめだ」「もう死ぬ」と思ったら、その方向に向かっていきます。
「がん恐怖症候群」にとらわれてしまうと、生気はますますがんに侵食されていきます。「もうだめだ」と思う気持ちに身体が同調し、免疫力もがくんと下がって、死の確率も高くなってしまうのではないでしょうか。
日本人の「がん恐怖症候群」には、「がん」という言葉の響きも少なからず関係しているように思います。
「がん」という響きには固く、頑(かたく)なで、手強いイメージがあります。心に強い衝撃を受けたことをあらわす「ガーン」という擬態音にも通じます。
もしも「がん」が仮に「ぴょん」だったら、病気のイメージは今とはだいぶ変わっていたのではないでしょうか。
「胃ぴょん」とか「乳ぴょん」とかいえば、そこまで怖い印象はありません。「子宮ぴょんになっちゃってさ」「えー!ぴょんなの?」という会話をしていれば、絶望感や恐怖感も薄らいでしまいそうです。
もし私ががんになったら、がんとはいわず「ぴょん」と呼び、心にゆとりを持って「ぴょん」と向き合っていきたいと思います。
こうした話をすると「不謹慎だ!」「ふざけたことをいうな!」とお叱りを受けそうですが、呼び名によって病気に対するイメージが変わってくることは事実です。
イメージが変われば気持ちも変わってきます。そして、気の持ちようが変われば、身体の働きも確実に変わってくるのです。
がんを敵視してはいけない
一部の遺伝性やウイルスによるものを除いて、がんは自分の生活習慣によって自らがつくったものです。
がんは自分で生み出し、育てたものであり、いわば自分の子どものようなものです。
私にも二人の息子がいるので、よく我が子に例えてお話するのですが、自分の子が急に家で暴れるようになり、このまま放っておくと将来的に家族を崩壊させるようなことを引き起こしかねないという状況になったとしたら、あなたは、 そのとんでもない悪さをする子どもにどう対応しますか?
「そんな危険な子どもはわが家には置いておけない」「一刻も早く出て行ってもらおう」と、躊躇(ちゅうちょ)なく家から追い出しますか?
我が子が何か問題を起こし、警察から電話があったとしたら、「家でも持て余しているので、そちらで引き取ってください。」と無責任なことを言いますか?
それよりも、「愛情をかけてきたつもりなのに、どうしてそうなってしまったのだろう」と、それまでの育て方を見直すのではないでしょうか?
そして、「この子だって根っから悪いわけではない。なんとか悪さをしないよう今から育て方、接し方を変えよう」と必死に考えるのではないでしょうか?
子どもの問題行動は、何かしらのメッセージであることが多いといいます。
子どもにしても、自分の親がある日突然自分のことを敵視し、厄介払いをする算段をはじめたら、どう思うでしょう?
「気づいてほしかったのに、話し合いもせず、いきなり自分を邪魔者扱いするなんて」と、食ってかかり、より一層反抗的な態度をあらわにするのではないでしょうか。そして、まったくこちらを見てくれなかったことに対して大きな溝ができ、やがては修復不可能になってしまう……。
わが子を理解し根本から解決しようとしたらまったく違う結果が待っていたのに。
私は、がんも同じだと思っています。これまでぬくぬくと育てられていたのに、いきなり潰しにかかろうとしてきたら、反撃に出るのは当然のこと。自分を排除するパワーが強ければ強いほど、猛攻撃しようとするのではないでしょうか。
実際、抗がん剤を使うと、がんは抗がん剤に反抗するかのように、変異しようとします。がんを告知されると「先生にお任せします」とすべてをゆだねてしまう患者さんをたくさん見てきましたが、自分でつくった自身のがんとどう向き合うか、どうつきあっていくかを、まずは真剣に考えることこそ「がん治療」の第一歩なのではないでしょうか。
まとめ
もし、ガンになったらどうしよう?
そんなことを考える前に、まずは生活習慣を改めることがとても大切です。
トップの写真はがん検診受診率50%達成キャンペーンで使われたどこかのポスターだと思われますが
半分ががんになるから、早く検診を受けましょう という内容。
冒頭でもお話ししたように早期発見、早期治療ではがんは無くならないということがわかってきた今、もう一度やるべきことを考える時ではないでしょうか?
(文=宇多川久美子)
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