薬を使わない薬剤師の“健康自立ブログ”

1日1食でも大丈夫!現代人に1日3食が多すぎる理由

現代人にとって「1日3食」は多すぎるこれだけの理由


朝ごはん、昼ごはん、晩ごはん、あるいはブレックファースト、ランチ、ディナーというように、食事にはさまざまな呼び名があり、食べる時間もしくは1日の中で何回目であるかによって呼び方が変わります。
食べるという行為自体は同じであっても、このように朝食、昼食、夕食と明確に分けられていると、あたかもそれぞれに固有の役割があるかのようであり、3食摂ることが人間の摂理にかなったことであるかのように感じられます。

「1日3食規則正しく食べることが健康の基本」
「食事を抜くのはよくない」
といったことが、まことしやかに語られてきたため、私たちは「1日3食」を当たり前のこととして受け止め、日常生活の中で実践するよう心がけてきました。

けれど、日本でこの習慣が広く浸透したのは明治時代のこと。特権階級や武士階級は別として、それ以前、町民とよばれる一般の人々の間には3食食べるという習慣はなかったのです。

そもそも人間は動物の一種であり、遠くさかのぼれば狩猟・採集によって食べものを得ていました。
その頃は、お腹がすいたら食物を探し求め、得られただけの食べものを分かち合って食べていたはず。
ですから1日に1食しか食べられないこともあったでしょうし、ときには食べられない日が続くこともあったでしょう。

それでも私たち人類は、こうして現代まで脈々と命をつないでくることができたのです。
つまり、1日に必ず3食摂らなければ生きていけない、というわけではないのです。

明治時代はまだ食べるものがままならなかったため、意識的に3食摂ることで健康を維持しようとしたわけですが、現代は逆に食べものがあふれている飽食の時代です。
食料が不足しているなかでつましく3食摂るのと、食べものがふんだんにあるなかでお腹いっぱい3食摂るのとでは意味合いがまるで違います。
もちろん、体ができあがっていない子どもや成長過程にある未成年者は、体をしっかり作る、規則規律を身につけるという観点から1日3食を規則正しく摂るべきだと思います。
けれどすでに身体的な成長を終えた健康的な大人が、日常的な活動をする上でのエネルギー供給として食事をとるのであれば、その必要はないと私は思います。

それどころか、私たち現代人にとって1日3食はむしろ多すぎといえるでしょう。

現代人は、たとえばサラリーマンであったら電車にゆられて、会社では一日中パソコン作業なんてこともあるわけです。
昔だったら電車も車もなかったし、メールもなかったありませんでしたから、自分が体を動かすしかなかったのです。
必要とするカロリーも、今と昔では全くちがうでしょう。

実際、現代は感染症などでな亡くなる人が激減した一方、がんや糖尿病やメタボなど、明治時代以前にはなかったようなあまり聞かなかった病気で体調をくずし、命を落としていく人が急増しています。
食を中心とする生活習慣が大きく変わったからこそ、生活習慣病を患う人がこれほどまでに増えたのです。
つまり1日3食摂ることが、さまざまな病気を生み出す温床となっているのです。

余談ですが、世の中には食べなくても生きている〝不食(ふしょく)〟の人が存在します。
オーストラリア生まれのジャスムヒーンさん、インド人のギリ・バラさんのほか、日本にも弁護士の秋山(あきやま)桂(けい)胤(らん)さん、森美智代さん、山田鷹夫さんらがいらっしゃいます。彼らは何年間も食事らしい食事を摂ることなく、元気に暮らしているのです。
中には青汁は飲んでいる方もいるし、水分すら摂らない方もいて、やり方はさまざまです。
生きていくには新陳代謝が必要であり、新陳代謝をするには栄養素が必要になります。食べずに生きているということは、食べものの代わりに空気や光といった身の回りにあるものからエネルギーを摂っているということになります。
私たち人間の身体には空気や光をエネルギーに換えるとてつもなくすぐれた能力が潜んでいるということですね。
誰もが不食の人になれるとは思いませんが、新たな進化の形としてこの先、不食の人は増えていくのかもしれませんね。

寝る前に食べると病気になる


「食べてすぐ横になると牛になる」といわれるように、寝ているときはカロリーが消費されないため、食べたものの栄養が体に蓄積され、太りやすくなります。
一方「親が死んでも食休み」といわれるように、食べると眠くなるのは自然の摂理であり、食後の休息は大切とされています。食べると眠くなるのは、消化吸収のために血液が胃腸に集中し、脳に送られる血液の量が少なくなるためです。
「食べると眠くなるのなら、ダイエットに興味がない人の場合は、寝る前に食べたほうが体にとっても効率がいいのでは?」「だいたいお腹が空いていると眠れない」「お腹いっぱいで寝るのが幸せ」。
そんな声も聞こえてきそうですが、ダイエットに興味あるかどうかに関わらず、寝る前に食べるのはやめたほうがよいでしょう。
血液はたえまなく循環し、私たちの生命を維持しています。ところが、睡眠状態では血液の循環は抑制されるのです。
血液の循環がゆるやかになれば、当然、胃腸の働きも鈍くなります。そのため、寝る前に食べたものは胃の中で十分消化されずに腸へ送られてしまうことになり、さらに腸でもうまく栄養を消化吸収することができなくなってしまうのです。
血液が十分にめぐってこないという過酷な条件のなかで、消化吸収という重労働を強いられる胃腸もたまったものではありません。劣悪な状況下で働かなければならないため、成果が上がらないばかりか、臓器自体がダメージを受けてしまうのです。
腸がダメージを受けるということは、つまり腸内環境が悪化するということ。腸内環境が悪化すれば免疫細胞の働きが鈍るので、肌が荒れ、便秘になり、さらには病気にかかりやすくなったり、病気が治りにくくなったりするのです。

朝ごはんは食べるべき?


「朝食を食べないと脳にエネルギーが回らないから、集中力して仕事や勉強ができない」。「朝食を摂らないと、寝ている間に下がった体温が上がらず精力的に活動できない」。
こうした理由から、1日のスタートとして朝食を摂ることが推奨されています。
確かに、生活のリズムを整え、丈夫な体を作るという意味から、成長過程にある子どもたちが朝食をしっかりとることは大切だと思います。けれど、体がすでにできあがっている大人にとって、果たして朝食は必要なのでしょうか?
ちまたで朝食の大切さが叫ばれているのは、朝食を摂らない人が多いということの現れとも言えます。朝ごはんを食べない人が多いという事実があるからこそ、それに歯止めをかけようと、朝食の重要性を説いているわけです。
ではなぜ、それほどまでに朝食を摂らない人が多いのでしょう?
私も朝食を摂る習慣がありませんが、それは単純に食べたくないから。食欲がないのは体が食べものを要求していないということであり、欲していないものを無理して食べる必要はないと考えるからです。
時間的な理由などから「食べたいけれどどうしても食べられない」という人もいることでしょう。けれど朝食を摂らない人の大半は、私と同じように単純に「お腹がすかないから食べない」のではないでしょうか。
そもそも、朝ごはんはパンにジャム、マーガリンだけとかでは、糖質、脂質のみで、ミネラル、ビタミンなどは全然足りていません。

ナチュラルハイジーン


私が学んだ健康法の一つに、「ナチュラルハイジーン」というものがあります。
ナチュラルハイジーンは、1830 年代に薬や手術を主流とする西洋医学に疑問を抱くアメリカの医師などによって体系づけられた健康理論で、20 世紀になり世界中に広く知られるようになったものです。
わかりやすく言うと、「新鮮な空気や水」「ふさわしい食事」「十分な睡眠や休養」「適度な運動」「日光」「ストレスマネージメント」などで、健康を保とうというものです。
ナチュラルハイジーンでは、1日の体のサイクルを8時間ごとに3つに分けて考えます。

午前4時から正午までを排泄(はいせつ)のサイクル
正午から午後8時までを摂取と消化のサイクル
午後8時から午前4時までを吸収と代謝のサイクルとしています。

この理論に従うなら、いわゆる朝食を摂る時間は排泄の時間帯にあたります。
排泄の時間帯だから、体が食べることを拒否していると考えることもできます。実際に体が一生懸命排泄をしようとしているのだとしたら、食べものを無理して取り入れることは、排泄というメインの仕事に加えて、消化という仕事をも強いることになります。

もしも私たちが、メインの仕事に加えて負担の重い仕事を課され同時にこなさなければならないとしたら、消耗し疲れ果ててしまいますよね。
同じように、余分な仕事を強制的に任されてしまったら胃腸もまた過労状態になり、腸内環境が乱れてしまいます。

とはいえ、「朝からお腹がすいてたまらない!」「朝食を食べないと体が動かず調子がでない」と感じている方であれば、体の欲求に応じて食べたほうがいいでしょう。
体質は人によってそれぞれですし、健康によいとされることも体によってそれぞれ違うと考えるからです。同じ体であっても、デスクワーク中心の生活を送っている場合と、体を精力的に動かす生活を送っている場合とでは、体によいことも微妙に変わってくるはずです。

当然、この健康法がいい、この健康法はよくないということはいちがいに言うことはできませんし、そうしたことを言うつもりも一切ありません。
肝心なのは、自分の体の声にしっかり耳を傾けることです。そのときどきの流行りの健康法に振り回されるのではなく、体の声を聞き取ることによって、朝食を必要としているのであれば朝食を食べ、朝食を欲していないのであれば食べなければいいのです。

食べることは本能的な行為であり、そもそも頭で良し悪しを考えて判断するものではなかったはずです。
自分の体のことは自分がいちばんよく感じることができるのですから、情報に流されるのではなく、自分の体にとってよいやり方で、自分の体にとってよいものを食べるようにしていくのが何よりの健康法といえるでしょう。


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