薬を使わない薬剤師の“健康自立ブログ”

ファスティングはじめませんか?だれにでもすぐできる「おうちファスティング」のススメ

日本では年末になると大掃除をする風習があります。
普段こまめに掃除をしていても、蓄積されてしまうホコリや取りきれない汚れやあるから、年に一度徹底的に掃除をするわけです。
腸を休めるファスティングも同じことです。
私は日常的に1日12時間のプチファスティングをしていますが、それでも腸は疲れをため、汚れをためてしまいます。
腸の大掃除さながら、私は年に2回、春と秋に希望者を募り、成田山で栄養講座やウォーキング講座などを盛り込んだ2泊3日のファスティング合宿を行っています。

ファスティングは肥満気味の人がやるものと思われている方もいるようですが、太っているかやせているかは関係ありません。
大きい部屋だから掃除をして、小さい部屋だから掃除をしなくてもいいということにはならないように、腸の大掃除は体格に関わらずどんな人にもおすすめです。

というのは、やせているのも太っているのと同様、代謝が悪い現れ。代謝が悪く、食べたものがうまく吸収できないためにやせているのです。

「3日も食べないなんて絶対に無理」と思われるかもしれませんが、日常から離れた快適なホテルで、ファスティングという同じ目的を持った人たちが集まって行うせいか、合宿に参加した方のほとんどは「意外と辛くなかった」「思ったほど大変ではなかった」と言われます。
中には「もう1日続けてみます」と言う頑張り屋さんもいるほどです。

合宿をすれば、甘い誘惑に誘われることもなくファスティングに集中することができます。
家族の誰かが、何かをおいしそうに食べるという耐え難い場面にもあわずに済みます。

ファスティング合宿昨年のファスティング合宿の風景です!

おうちファスティングは、あなたもできる


とはいえスケジュール的に難しい方、今すぐやってみたいという方もいらっしゃると思うので、ここでは個人的に行うおうちファスティングをご紹介しましょう!
消化器系の病気のある方は、主治医とご相談してから行ってくださいね。

まずは、ファスティングの期間と開始日を決めることからスタートです。
初めての方は3日間程度に止めておくのがよいでしょう。もちろん2日間でも丸一日でも構いません。

働いている方は、休日がやりやすいかもしれませんね。

ファスティングの期間と開始日が決まったら、開始日の前日からおかゆなど消化のよいものを、いつもより量を控えて食べます。
ファスティングに入る前にお腹いっぱい食べておきたいという気持ちはわかりますが、体は急激な変化が苦手です。
前日から食べないモードに少しずつ慣らしていってあげましょう。

ファスティングをしている間は、固形物は一切とりません。
ちなみに私が主催している合宿では、酵素ジュースと水と少量の塩を摂ります。

酵素ジュースはさまざまなものが市販されていますが、腸をきれいにするだけでなく、休ませるのも目的ですから、繊維質の含まれていない酵素ジュースを選びましょう。
また、市販のものはけっこう添加物が入っていることもあるため、適当な酵素ジュースが見つからないという方は、野菜と果物を使って自分で手作りしてみてください。

ミキサーで粉砕したジュースでは繊維が残ってしまい、腸が働かざるをえなくなります。
腸を休ませるためのファスティングですから、食物繊維が入らないようジューサーで作るか、ミキサーで作ったジュースをガーゼなどでこします。

ジュースを飲むタイミングは特に決まっていません。
お腹が空いたと感じたときに飲んでください。私が使っている酵素ジュースはとても美味しいのですが、酵素の甘みがよく出ていて、それだけ飲んでいると単調になってしまうので、アクセントとして塩をときどきなめます。もちろんこの塩も化学的に精製された塩化ナトリウム(食塩)ではなく、天然のミネラルが入った自然の塩を選びましょう。

ファスティング中に起こる頭痛などにも塩をなめるのは効果的です。

水も適宜とります。
熱かったり冷たかったりすると胃腸に刺激を与えてしまうので、水は常温がオススメです。
脱水症状にならないよう、ファスティング中の水分はジュースを含めて1日2リットルを目安にとりましょう。

水分はお水でもよいですし、ノンカフェインのお茶でもよいです。
カフェインのお茶でも悪くはないのですがは、どうしても胃腸に刺激を与えてしまいます。

酵素ジュースで栄養はとっているので、安静にしている必要はありません。

通常どおり、仕事をするなり家事をするなりしてください。
腸が動かなくなり、副交感神経が急に優位になると、頭が痛くなったり、ちょっと気持ち悪くなったりすることがありますが、これは「好転(こうてん)反応(はんのう)」です。

好転反応とは、治療の過程で一時的に起こる身体反応のことで、不調に感じるようなものもあります。
そのようなときは、横になったり、塩をなめるなどしてしのいでください。

ただしあまりにも気分が悪くなってしまったら、それは体がファスティングをするタイミングではなかったということです。
日を改めてまたやればいいだけの話ですから、その時点でファスティングは中断してください。

気をつけたいのが終了後です。

食べることを我慢してきたからといって、絶対に暴飲暴食をしないでください。
せっかくファスティングで腸を大掃除したのに、水の泡になってしまいます。
終了後は、自分の体が欲しているものは何かを感じて、体にいいと思われるものを摂るようにしましょう。

もっともファスティング直後は、大抵の方が自分の体をいたわるようになっており、感覚的に胃腸にやさしいものを食べようと思われ、せっかく食べるのなら質のよいものをと考えるようです。

開始前と同様に、ファスティング終了後も徐々に体を慣らし、ゆっくりと元の食生活に戻していきます。ファスティング前の準備期とファスティング後の回復期はファスティングと同じ期間かその倍の期間が取れれば理想的です。

いいことづくめのファスティング


ファスティングは、腸を休ませ腸内環境を整えるばかりでなく、デトックス効果やダイエット効果も期待できます。
デトックスとは体内から毒素や老廃物を排出することです。
私たちの体は、もともと毒素を排出するようにできているのですが、入ってくる有害物質の量が処理能力をオーバーすると、処理できなかった毒素が脂肪に蓄積されていきます。
ところがファスティングをしている間は有害物質が体内に入ってきません。
しかも、摂取するカロリーが少ないため、体内でエネルギーをまかなうよう脂肪が分解されます。
脂肪が分解されるときに、そこにたまっていた毒素が遊離して体外へと排出されるのです。

脂肪が落ちるとともにそこにたまっていた毒素も排出されるのですから、ファスティングはまさに体の大掃除です。
ゆっくり休んだ腸は元気を取り戻し、そこで活動する免疫の働きも一層活発になります。
またファスティング中は消化器官がほぼ休業状態になるため、いつもよりも感覚が研ぎ澄まされますし、睡眠も深くなります。

私のファスティング合宿に参加された方は「いつもより集中力が上がった」「思考がクリアになった」「体が軽くなり、いつも以上に自分の体を身近に感じられるようになった」「熟睡できた」と口々に言います。中には「これまでの人生の中で、いちばんぐっすり眠れた」と言う方もいらっしゃいました。

また、ファスティングをすると食事に時間を取られることがなくなります。
「時間が有効に使えた」「日々いかに食事の時間にかけているかがわかった」という感想もよく聞きます。

いいことづくしのファスティングですが、私が何よりもすばらしいと感じるのは、ファスティングをすると自分の体に耳を傾けるようになり、食べることをより大切にするようになることです。

おそらく「ファスティングできれいにした体を不自然な食べもので汚したくない」という思いが無意識のうちに働いて、体の声を聞くよう働きかけ、食べるものを吟味するよう促すのでしょう。

合宿最終日には「せっかくファスティングで体をきれいに掃除したので、体によくないものは入れたくない」「体をびっくりさせないよう、体が欲しがるものをちゃんと考えてから食べます」「食べないことによって、逆に食べることの大切さがわかった」という感想をいただきます。

「ファスティングなんて自分にはとても無理」という方も多いと思いますが、まずは「無理」という思い込みを外し、気負わずに挑戦してみてはいかがでしょうか。やってみて無理だったら途中でやめればいいことですし、途中でやめたからといって誰もとがめたりしません。

思い立ったときにいつでも始められるのが、おうちファスティングのいいところ。

気負わず無理のない範囲でトライしていただければと思います。
(文=宇多川久美子 著書「それでも薬剤師は薬を飲まない」より抜粋)

それでも薬剤師は薬を飲まない


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