薬を使わない薬剤師の“健康自立ブログ”

痛み止めにロキソニン飲んでいませんか?鎮痛剤「ロキソニン」は劇薬だったということを知っていますか?

きれいなピルケースに市販薬を入れて持ち歩く若い女性が増えています。

薬がファッションの一部にもなってきているのです。
こうした薬の飲み方を「カジュアル飲み」というそうです。
カジュアル飲みは、副作用への認識の低さの表れです。
それは、幼い頃からの経験によって築かれたものなのでしょう。

薬をすぐに飲ませる親に育てられた子は、大人になって薬好き、病院好きになる傾向があります。

現在、日本では子どもの医療費は無料、自治体によっては数百円のみとなっています。

親には「ありがたい」と感じる制度でしょう。金銭的な負担がなく医師に診てもらえるなら安心と、小児科に行くことにためらいがなくなります。

しかし病気には、「自分の身体に備わった自然治癒力で治すべき領域」と、「医療の力を借りて治すべき領域」があります。

風邪は自然治癒力で治すべき病気です。そのことを子どものうちから風邪を通して経験することは、生涯を通して健康な身体を築くうえでとても大事。
「風邪は寝てれば治る」と、自らの自然治癒力を体感して育った人は、医療や薬に頼らない意識を持っています。

欧米では、風邪の薬は保険適用から外されています。

日本でも健康保険組合や労働組合などは、そうするべきだと主張していますし、私も賛成です。
風邪が保険適用外となれば、病院へ行く患者さんが激減するので、無駄な医療費を抑えることができます。

しかし、実現は難しいでしょう。子どもの医療費の無料化は、製薬会社や医療者にとって数十年続く顧客づくりの一環となっていて、彼らの反対は必至でしょう。
無料化を「ありがたい」と喜ぶ親たちの意識を変えなければなりません。

しかし、風邪が、薬への依存を高める入り口であることは間違いありません。

薬の負のスパイラル……

「薬を手放せなくなる」

「耐性ができて効かなくなり、量が増える」

「効かないので薬の種類が増えていく」

「副作用が現れ、それに対処する薬が加わる」

「身体を壊す」

という過程で進んでいきます。

もし、日本で風邪は全額負担と変われば、みなさんは風邪を引かないようにと日常生活から健康づくりを心がけるでしょう。
それによって使われなくなった医療費は、難病など医療の力を本当に必要とする病気の治療と研究に使われるべきです。そうした取り組みこそ、真の医療の発展を築く一助になるはずです。

カジュアル飲みが薬依存を育てる


親の意識は、子どもに受け継がれます。
カジュアル飲みなど、市販薬をお守りのように常備する人は、ほとんどが子どもの頃、風邪で医療機関を受診していたはずです。
最近は、「スイッチOTC薬」という市販薬が出ています。これまでは医師の処方でしか得られなかった薬が、薬局で購入できるようになったもののことです。

その一つにロキソニンがあります。
ロキソニンは消炎鎮痛剤の一種であり、効き目がよいので愛用している人は多いでしょう。

頭痛や生理痛、歯痛、神経痛、腰痛、肩こり痛、関節痛など、つらい痛みを軽減してくれますし、解熱作用もあります。

しかし、効果がそれだけ高いということは、副作用も全身にわたるということです。

ロキソニンが処方薬としてのみ使われていた頃、この薬は調剤室の「劇薬」の棚に置かれていました。

薬は「普通薬」「劇薬」「毒薬」という3つに区分されます。

現在ロキソニンは、劇薬から普通薬に変わり、一般の市販薬の棚にも置かれるようになりました。

医薬品医療機器総合機構(PMDA)の報告書には、過去3年度における国内副作用症例のうち、小腸・大腸の狭窄・閉塞関連症例が6例報告されています。
どれだけ売れているかは別として、こういった副作用があるということは、次はあなたに起きてもおかしくないことではないでしょうか?

あなたや、あなたの大切な人が日常使っている「お薬」でもし命を落とすようなことになったら、「知らなかった」では済まされないと思います。

便利になったけれども、その裏には危険もある。「カジュアル飲み」と気軽に飲んでよいはずがないのは、確かなことなのです。

(文=宇多川久美子『その「一錠」が脳をダメにする~薬剤師が教える薬の害がわかる本~』より抜粋)

 


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