今日のお話は今何かと話題の「遺伝子組み換え」についてです。
人間に限らず、すべての生物や植物は、先祖代々の遺伝子を引き継いで生まれてきます。
当然のことのようですが、ごくまれに、子へ渡す遺伝子の情報を間違えてしまうことがあります。
動物園で人気の「ホワイトタイガー」などはその例です。
模様がある両親から白いあかちゃんトラが生まれたわけです。
両親とは違う様相を持った子が生まれる、これが「突然変異」です。
以前から生物学の研究者はこの「突然変異」を使って両親の長所を併せ持つ新品種を作り出そうとしていました。
たとえば「甘くて大きないちご」がほしいと考えた場合
「甘いが実が小さいいちご」と「酸っぱいが実が大きないちご」を交配させてたくさんのいちごを育てます。
育った実は「酸っぱくて小さいいちご」や親と同じ「甘いが小さいいちご」などいろいろないちごができます。
そうした中で「甘くて大きないちご」もできるのですがほしい品種が確実に出来上がるまでには長い年月が必要でした。
そんな「品種改良」に携わる研究者たちを興奮させる技術が登場します。
それが「遺伝子組み換え」です。
さまざまな生物・植物の遺伝子情報が判明し遺伝子のどこにどんな情報が書かれているかが分かるようになったたのです。
そして、目的とする情報を持った遺伝子の部分を組み込めば「自分たちの思う品種を作ることができる!」
こうして、品種改良は格段にスピードアップすることになります。
品種改良の初めの目的は「生産性の向上」でした。
例えば、アメリカの農地は広大で、農薬等はヘリコプターで散布していました。
除草剤をまいたときに、一緒に農作物が枯れてしまうという事態を避けたいと除草剤耐性の大豆が作られました。
また、害虫駆除剤をまかなくてもよいように、葉をかじった害虫が死んでしまう農産物等もできました。
これらの品種が登場したことで生産性が格段とアップしました
しかし、こうして喜んだのもつかの間。
様々なメディアによって「害虫が食べて死ぬような食べ物を人間が食べて大丈夫なものか?」
と報道されたことで「遺伝子組み換えはコワイ」という情報が世界中を駆け巡ります。
研究者たちには「夢の技術」である遺伝子組み換えでしたが、これにはさまざまな疑問点や問題点があげられています
食した際に健康に悪影響を与える可能性が否定できない
市販される前にさまざまな検査が行われています。まずは、ラットやマウスによる動物実験です。
ラットやマウスは寿命が2~3年と短いため何らかの問題が起こるとしたら、早急に異常が起こると考えられているからです。
しかし3年以上の追跡もできないということです。さらに他の動物の実験もして、念入りに調査をした上で食用としての許可がおります。
今のところ遺伝子組み換え作物での健康被害は表には出ていません。
自然環境を破壊する。有機農業、従来型農業と共存できない
自然環境や従来型農業との共存については遺伝子組み換え作物は、他の品種と一定の距離を保たれた隔離場で栽培することとされており
こちらもかなり厳しい制限がかけられています。
とはいえ、自然界は強いものが生き残ります。
セイタカアワダチソウやアメリカザリガニの大発生のようにどこで種が一般の農地に出て行ってしまうかは分かりません。
自然界への影響は生態系をも大きく変えてしまうものかもしれません。
ラットやマウスでの短期間の追跡では出でなかったとしても人間にとってよくないことが起こるかもしれません。
まとめ
遺伝子組み換えを頭から否定するつもりはありませんが、私がいつもいっている
「新薬こそ本当はこわいなぜならその影響は5年、10年と飲んでみて初めて明らかになるから」
ということと同じことが起こる可能性もあるということです。
世界は今後ますます食糧危機に陥ります。
確かに生産性の高い遺伝子組み換えの食材は救世主なのかもしれません。
でも私たち日本人は、生産性を高めて消費することを考えるだけでなく
いかに「大切な食材を無駄にしているか」「食欲のままに食べ過ぎているか」
という現実をしっかり受け止め、残飯率を下げるなどの努力をするべきだと思います。
その根底にあるのが感謝していただく「感食」です
遺伝子組み換えの問題はとても大きな問題ですが、私たちのほんの少しの心がけが
大きな解決の一歩になることを願っています。
(文=宇多川久美子)
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