薬を使わない薬剤師の“健康自立ブログ”

うつ病の症状がでたら薬?知ってますか?抗うつ剤の副作用は「うつ症状」??薬を飲む前にうつ病を知りましょう!

「うつ病ですね~」
「ちょっとうつの傾向があります」
そして
「お薬出しておきますので飲んでみてください。」
「ちょっと寝れないんですが・・・。」
「わかりました、睡眠導入剤も一緒に出しておきますね~」
「ありがとうございます・・・」

精神内科で日常されている普通の会話。

お薬を飲む前に少し考えてみませんか?

うつ病の定義

「うつ病」とは

日本では、100人に3~7人という割合でこれまでにうつ病を経験した人がいるという調査結果があります。さらに、厚生労働省が3年ごとに行っている患者調査では、うつ病を含む気分障害の患者さんが近年急速に増えていることが指摘されています。
「うつ病が増えている」の背景には、

・うつ病についての認識が広がって受診する機会が増えている
・社会・経済的など環境の影響で抑うつ状態になる人が増えている
・うつ病の診断基準の解釈が広がっている
など、様々な理由が考えられます。

「うつ病」にはいろいろある

「憂うつな気分」や「気持ちが重い」といった抑うつ状態がほぼ一日中あってそれが長い期間続く、というのはうつ病の代表的な症状です。
こうした症状が見られた場合、うつ病と診断されることが多いのですが、本当は、これだけで診断がついたことにはなりません。
大うつ病と呼ばれるタイプのうつ病には一定の診断基準があり、参考になります。他に性格や環境、あるいはほかの病気やこれまで服用していた薬が関係していることもあります。

また、これまでに躁状態や軽躁状態を経験したことがある場合はうつ病でなく双極性障害(躁うつ病)であると考えられますのでそういう経験がなかったかの確認も必要です。
統合失調症などほかの精神疾患が背景にあって、抑うつ状態はその症状のひとつであった、という場合もあります。このような症状を万が一うつ病と診断されたら、本当の疾患が見逃されせっかくの早期発見・早期治療のチャンスをのがしてしまうことになってしまいます。
正しいうつ病の診断は、うつ病のどのタイプなのか、ほかの精神疾患である可能性はないか、などを確認することまで含まれるのです。

うつ病のサイン・症状

それは、どのくらい続いていますか?
うつ病と診断するめやすとして、次のような症状のうちいくつかが2週間以上ずっと続く、というものがあります。ひとつひとつの症状は誰もが感じるような気分ですが、それが一日中ほぼ絶え間なく感じられ、長い期間続くようであれば、もしかしたらうつ病のサインかもしれません。

・抑うつ気分(憂うつ、気分が重い)
・何をしても楽しくない、何にも興味がわかない
・疲れているのに眠れない、一日中ねむい、いつもよりかなり早く目覚める
・イライラして、何かにせき立てられているようで落ち着かない
・悪いことをしたように感じて自分を責める、自分には価値がないと感じる
・思考力が落ちる
・死にたくなる

周りからみてわかるサインもあります

うつ病では、自分が感じる気分の変化だけでなく、周囲からみてわかる変化もあります。周りの人が「いつもと違う」こんな変化に気づいたら、もしかしたら本人はうつ状態で苦しんでいるのかもしれません。

・表情が暗い
・涙もろくなった
・反応が遅い
・落ち着かない
・飲酒量が増える

体に出るサインもあります

抑うつ状態に気づく前に、体に変化が現れることもあります。

・食欲がない
・体がだるい
・疲れやすい
・性欲がない
・頭痛や肩こり
・動悸
・胃の不快感
・便秘がち
・めまい
・口が渇く

れはあくまでも目安です。
おかしいかな?あてはまるかな?と思ったらまずは専門家に相談しましょう。専門家のいるところは総合病院の精神科や心療内科、もしくは精神科専門のクリニックなどですが、どこに行けばいいかわからない時は自分のことをよく知っているかかりつけの医師に相談したり、地元の保健所や精神保健福祉センターの相談窓口を利用するなどしましょう。
インターネットや本などで一方的な情報を集めて自己診断することは正しい診療をうける機会を遅らせるだけでお勧めできない方法です。
最近使われているうつ病の診断基準はとてもわかりやすく、うつ病かどうかの診断は簡単にやろうと思えばできるようにみえます。しかし、本当にうつ病なのか、うつ病のどのタイプなのか、などの正確な診断は専門医がきちんと判断しないとなかなかわかりにくいのです。
厚生労働省 知ることからはじめようみんなのメンタルヘルスより引用

うつ病の定義自体が曖昧だと思いませんか?
病院に行って、病名をつけられればうつ病ですが、行かなければうつ病ではないのです。

その人が本当にどのような「気持ちの程度」になあるかは実際には測れません。そもそも気持ちの問題を病気として捉えていいのかということ事態に、私は疑問を感じています。
心の状態に、合成薬を投与すること自体おかしいのです。
薬を使うハードルがあまりにも低くなっていると思います。
絶望感に苛まれているときに、薬を一錠飲んだら、気持ちが高揚したとしたら、その薬のほうが怖くありませんか?

1988年アメリカで「プロザック」という抗うつ剤が発売された当初は、日本でも大きく取り上げられました。
「プロザック」が「ハッピードラック」として、うつ病患者だけでなく、その使用がビジネスパーソンなどにも広がったためです。
SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)の一種で、よく効き、副作用が非常に少ない薬とのふれこみで、アメリカだけなく、世界中で爆発的にヒットしました。
その頃の日本では気軽に抗うつ剤を使うことに懐疑的な論調がメインでしたが、現在では話題にもならないほど抗うつ剤の使用は一般的になってきています。

恐ろしいことに、この使用は子供にまで広がっています。
しかし、長い人類の歴史を見れば、うつ病のために薬を飲むということは、始まったばかり。特に日本では最近のことです。大人だけでなく、子供への投与の詳しい影響は、今薬を飲んでいる子供達が、今後どうなっていくかを見るまでは、本当に誰もわからないのです。

私も薬局でたくさんの方に抗うつ剤を処方してきました。しかし「薬が効いて元気になったよ!」
というかたにお会いしたことがありません。服薬の量が増えたりさらに症状を悪化させたりする方はたくさんいたのですが・・・。

抗うつ剤の副作用は「うつ症状」


冗談のような話ですが、添付文章にもしっかりと明記されています。現在主流の抗うつ剤は「SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)」「SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤)」と呼ばれるものです。
セロトニンは人が幸せを感じれるようにしてくれる物質、ノルアドレナリンはやる気や自身などを醸成してくれる物質です。
「うつになってしまうのは、これらのぶっしつを脳内にとどまらせることができないから」ということで、先の薬を使って強制的にこれらの物質を脳内にとどめておくのです。

この薬の副作用に「セロトニン症候群」といわれるものがあります。これは、脳内のセロトニンが過剰になることによる副作用案のですが、そもそもこの薬を飲んだのは「セロトニンが足りなかったからじゃないの?」という疑問が湧いてきます。副作用が起きてしまったのは、そもそもセロトニンは不足していなかったのか、抗うつ剤が脳内にセロトニンをとどめ過ぎたのか・・・。
薬というものは、身体に合わせて微調整をしてくれることがないので、このようなことがおきてしまうのです。

具体的に「パキシル」という薬のセロトニン症候群の症状を見てみると「不安、焦燥、興奮、錯乱、幻覚・・・」となっています。別の抗うつ剤「ジェイゾロフト」では「不安、焦燥、興奮、錯乱、発汗・・・」です。「不安や焦燥」が最初に出てきています。
うつの薬を飲んで、不安や焦燥に悩まされてしまうのです。

両方とも添付書には同じ注意が書いています。
「24歳以下の患者では、自殺念慮や自殺企図の発現リスクが抗うつ剤投与郡でプラセボ郡と比較して高かった。」医師はこういった副作用をしっかりと伝えることは、ほぼないでしょう。こんなこと伝えたら薬を飲んでもらえなくなってしまいますから。でも、薬に殺されてはたまりません。

抗うつ剤の効果は測れない


血圧などのように測ってわかるものと違って、抗うつ剤は「本当に効いているかどうか」誰も判断できません。数値として現れないからです。

たとえば、ある抗うつ剤を飲み始めて、以前より気分が沈んだとします。それを「うつの症状が進んだ」とみるか「飲んだ薬の副作用」とみるかで、次に打たれる手は変わるはずです。その判断は医師にまかされることになります。そうなると「ではもっと強い薬を出しましょう」ということになるのは容易に想像が付きます。

処方される薬の量も、問診で決まります。とてもつらそうに症状を訴える人には多量の薬を、そうでもなさそうなら少量を。本当にどれくらい症状がすすんでいるのかは現段階では客観的にはかることはできません(図れても怖いですが。。。)その人に本当にぴったりの容量を処方するということは、向精神薬においては至難の業なのです。

(文=宇多川久美子 「断薬セラピー」より)


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