薬を使わない薬剤師の“健康自立ブログ”

ちゃんと知っておきたい薬の事。「ジェネリック医薬品」ってどんなもの?基本編

最近よく耳にする「ジェネリック医薬品」。テレビコマーシャルもしています。「成分は同じで安い薬」そんなイメージが浸透しているかと思います。皆さんの中にも薬局で「ジェネリックにしますか?」と聞かれた経験のある方も多いと思います。今回はそんなジェネリックについて3回に分けてお話します。

ジェネリックって何?


薬は製薬会社が長い時間と多額の資金を使って開発し、製造販売されます。これが「先発医薬品」です。これに対して、有効成分や効能、安全性は同じですが、他メーカーがつくった薬が「後発医薬品」で、これを「ジェネリック医薬品」と言います。

製薬メーカーが新薬を開発するのには百億円以上かかるとも言われています。新しい薬ですから広告や宣伝費も必要です。これらを加味して薬の値段「薬価」が決まります。いわゆる「定価」です。新薬の場合、この薬を販売できるのは当然、開発した製薬メーカーだけです。つまり定価で独占的に販売できるわけです。

しかし、それが可能なのは「特許」が切れるまで。期間は一般的に20年です。特許が切れると他メーカーも作って販売することができるようになります。これが後発医薬品=ジェネリックです。ジェネリックは先発品のように開発費などがかかりませんから、「薬価」も安く設定されます。だいたい先発品の5割程度です。

ジェネリックは安全か?


ジェネリックをつくるメーカーは、薬の成分や効能、安全性を試験し、厚生労働省の承認を受けなければなりません。厚生労働省の認可を受けたものだけが販売できます。その意味で、効き目や安全性は担保されています。しかし、先発品とジェネリックがまったく同じわけではありません。違いは大きく2つあります。

(1)効き目は先発品とまったく同じではない。

有効性は先発品と比べてプラスマイナス20%まで認められます。つまり、先発品と比べて効き目が120%あるかもしれないし、逆に80%しかないかもしれないということです。この幅については、症状に影響の出る場合と出ない症状がありますし、個人差もあります。効き目が80%では困るけど、120%ならもっと効きそう!と思われるかもしれませんが、効果が一気に出て、持続性の面で劣るということもあります。

(2)有効成分は同じだが、添加物は先発医薬品と違うものもある。

薬には有効成分以外にさまざまな成分が含まれています。錠剤にする成分、カプセルにする成分、味を調える成分、保存剤もそうです。これらは先発品と違ってもいいことになっています。ジェネリックは薬の大きさや形状や味を変えることもできるので、先発品の錠剤が大きくて飲みにくかった場合には、ジェネリックで小さい錠剤をつくることができます。先発品では有効成分20mgの錠剤しかなかったけれど、ジェネリックは10mgの錠剤をつくってもかまいません。飲みやすい味に変えたり、錠剤を粉末や液状にしたりしてもいいのです。水なしでも飲める「OD錠」にすることもできます。

(1)も(2)もすべて有効成分と効能、安全性は担保されています。ただ、原材料が先発品と100%同じでないことは知っておいてください。

次回は“ちゃんと知っておきたい薬の事。「ジェネリック医薬品」ってどんなもの?処方編”をご紹介します。


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