女性にもっとも多いがんは、乳がんです。
現在、女性の12人に一人が乳がんになると推定され、「早期発見、早期治療」が重要と強くいわれているがんの一つです。
早期に発見し、患部をきれいにとり除ければ、9割の人が助かります。
がんが小さなうちであれば、乳房の温存も可能とされています。
乳がんの検査で一般的なのは、マンモグラフィ検査です。乳房専用のX線撮影装置 で、圧迫板とフィルムの入った板に、乳房を薄くのばしてはさみ、左右それぞれ数回 撮影します。
この検査機器も、精度の高さや撮影回数によって被曝量に差が出ます。
マンモグラフィ検査をすすめる人たちは、「放射線量は著しく低く、この検査によっ て乳がんになる確率はゼロに近い」といいます。
しかし欧米では、低線量であっても甲状腺がんや白血病などが起こるリスクは回避 できないと、健康被害を重く受け止めています。
実際、米国では 40 歳以下の出産能力のある女性にはマンモグラフィ検査を推奨して いません。
2009年には米国予防医学特別作業部会は、 40 代の女性もデメリットが メリットを上回ると発表しました。
ところが、日本では関連学会も政府も医師も、低 線量の医療被曝を過小評価し、マンモグラフィ検査を定期的に受けることを推奨して いるのです。
日本の女性にとってマンモグラフィほど不向きな検査はありません。
なぜなら日本女性は欧米の女性ほど乳房が大きくないからです。乳房の大きさにか かわらず、乳腺の数に変わりはありません。
つまり、日本人の多くは小さな乳房に乳 腺が密になって存在しているのです。
マンモグラフィでは乳房を力ずくで押し広げ、 乳腺にできた目に見えないほど小さながんを探します。
とても痛い思いをして板で挟 んだところで、乳腺が密に重なる部分からがんの映像を捉えるのは至難の業です。
最 近の技術で複数の角度から撮影する三次元(3D)マンモグラフィも登場しましたが、 より大きく被曝をすることにもつながります。
なお、人間ドックではMRI検査も選択できます。MRIとは、強力な磁石ででき た筒状の機械の中で、磁力の力を活用して臓器や血管を撮影する機械です。
X線やC Tのように放射線を使った検査ではないため、医療被曝の心配がなく、安全だともい われています。
ただし、その安全性にも大きな疑問を持たずにはいられません。狭い機械の中で、 一度に大量の電磁波を浴びることになるからです。
電磁波を浴びることも、がん細胞 をつくり出し、現代人のがんを増やす一因となるといわれています。
下の記事を読んでいただきたい。
2010年1月に配信されたものです。
「そんなに前から」です!
乳癌マンモ不要論の衝撃
The Myth of the Mammogram
40代女性の乳房X線撮影は効果なし──専門家の勧告にアメリカの女性たちが猛反発する理由
2010年1月18日(月)16時37分パット・ウィンガート(ワシントン支局)
アメリカの成人女性の大半は、40代の知人を乳癌で亡くしたことがあるだろう。だから米政府の予防医学作業部会が11月16日に発表した新たな勧告は、乳癌予防に努めてきた女性たちに衝撃を与えた。勧告によると、50歳未満の女性が乳癌から身を守る上でマンモグラフィー(乳房X線撮影)と自己検診はほとんど効果がなく、勧められないという。勧告の狙いは若い女性が不必要な放射線照射や組織検査を受けるリスクを減らすこと。この勧告を支持する強力なデータもある。
しかし多くの女性が勧告に反発し、マンモグラフィー検診を受ける機会を今までどおり40代の女性に与えるよう求めている。
「乳癌には用心しなさい。早期発見なら助かるかもしれない──私たちは20年前から女性にそう言い続けてきた」と、全米女性健康ネットワークのシンディー・ピアソンは語る。
マンモグラフィー検診に関する否定的な見解は以前からあった。カナダでは92年、マンモグラフィー検診は40〜50歳の閉経前の女性の死亡率改善に効果なしとする研究結果が出ている。
研究者たちは前から、マンモグラフィー検診は閉経後のほうが高い成果が得られることを知っていた。閉経後は乳腺密度が低くなるため、検診の精度が上がるのだ。16年間が無駄になった
アメリカ癌協会(ACS)が40歳からマンモグラフィー検診を受けるべきだと主張し始めたのは83年。マンモグラフィーが若い年齢層に極めて効果的だというデータが確立されたわけではなく、乳癌の発症率の上昇という事情が背景にあった。
「私たち全米女性健康ネットワークは93年から、40代の女性にはマンモグラフィー検診があまり効果がないことを示す十分な証拠があると伝えてきた」とピアソンは言う。「女性たちは、若い女性を対象にした別の検診法の開発に使えたはずの16年間が無駄にされたことに怒るべきだ」
40〜49歳の女性の場合、マンモグラフィー検診は乳癌による死亡率を15%しか減らせないとされる。一方で、誤診の確率がかなり高く、不必要な組織検査を受けさせられたり、無用な心配にさいなまれる恐れがある。癌のリスクが少ない家系で自覚症状もない若い女性は、メリットとデメリットを慎重に検討する必要がありそうだ。
専門家たちは何年も前から、マンモグラフィー検診を受け始めるべき推奨年齢を50歳に引き上げるべきかについて議論してきた。「年齢が上がるにつれ、メリットが増え、デメリットが減るのは確かだが、推奨年齢を何歳にするかを決めるのは難しい」と指摘するのは、今回の勧告のための調査に協力したハイディ・ネルソンだ。
ACSと米放射線医学会は、40代女性のマンモグラフィー検診は利点が欠点を上回ると主張してきたが、米内科医学会と全米女性健康ネットワークなどは反対。専門家の間で意見がまとまらないまま、「マンモグラフィー検診は40歳から50歳の間に受け始めるべきだ」というのが通説になった。
ニューズウィーク日本版より引用http
マンモグラフィー検診には廃止勧告も、スイス医療委員会「有益な効果認めず」
乳がん発見のためのマンモグラフィーによる定期検診の有用性に今疑問符が付いている。この5月には、有力医学誌で、スイス医療委員会が「マンモグラフィー健診は乳がんによる全死亡率を低下させない」と結論付けて、廃止勧告している。これはスイス医療委員会の委員からなる研究グループが、今年、世界でもトップクラスの医学誌であるニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン誌で報告したもの。日本ではほとんど…
乳がん発見のためのマンモグラフィーによる定期検診の有用性に今疑問符が付いている。この5月には、有力医学誌で、スイス医療委員会が「マンモグラフィー健診は乳がんによる全死亡率を低下させない」と結論付けて、廃止勧告している。これはスイス医療委員会の委員からなる研究グループが、今年、世界でもトップクラスの医学誌であるニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン誌で報告したもの。日本ではほとんど知られていないだろう。
マンモ検診の死亡率低下の効果はない
研究グループはいくつかの研究の結果を検討した。25年間の追跡調査を伴うカナダの定期健診の研究によれば、生検を伴うマンモグラフィー検診は過剰診断をもたらし、不要な手術、放射線療法、化学療法などの過剰診療を招いているとして問題視した。がんでもない人をがんであると疑って、かえって検診を受けた人のデメリットになるというわけだ。さらに、合計60万人以上の女性を対象に検証している10報の試験について統合的に検証した、世界的な臨床研究の評価誌である「コクランレビュー」によれば、乳がんによる死亡率を下げる効果はないと指摘。やはりマンモグラフィー検診の有益性は認められないと指摘している。スイス医療委員会はマンモグラフィー検診の段階的廃止に加えて、情報提供を順にしていきながら、女性に選択を委ねるよう勧告した。日本では乳がん予防にマンモグラフィーを受けるよう進める動きもあるが、国際的に問題視する声が高まっている。超音波や触診などの他の方法も含めて、再検証が必要になるだろう。
文献情報
Biller-Andorno N et al. Abolishing mammography screening programs? A view from the Swiss Medical Board. N Engl J Med. 2014;370:1965-7.
Abolishing mammography screening programs? A view from the Swiss Medical Board. – PubMed – NCBI
welqより引用
世界ではこんなことがずっと前から騒がれているという事実を知ってください。
ここにきて、芸能界の方が「乳がん」であるということを報道したおかげで、一気にマンモグラフィの需要が増えていると聞きます。
「早期発見」されれば切除しなくても助かる可能性がある。
そう思い込まされてしまっているのではないでしょうか?
もう一度良く考えてみましょう!
(文=宇多川久美子)
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