がんになると多くの人は「なぜ、私が?」と真っ先に思います。
しかし、がんになるのには、原因があるのです。原因がわかれば、病気の根本を断つ努力ができます。
その原因が仕事のストレスなのだとしたら、そこから離れるという選択肢もあります。命があっての仕事です。
最後まで仕事に生きるのか、仕事を辞めて他の生きる道を歩むのか、それを決めるのは「どう生きたいか」という自分の思いの中にあります。
営業マンだったある男性はがんが見つかってから、仕事を辞めてコーヒーショップを始めました。
仕事で多忙な生活を送っていた頃、営業中に立ちよるコーヒー一杯に癒されていたそうです。
今はのんびりとコーヒーを入れる毎日が楽しいといいます。
キャリアウーマンだったある女性は、40年間懸命に働いてきた末、末期の子宮がんとなりました。
「手の施しようがない」と医師に宣告されたそうです。
彼女は最後のときを両親と暮らそうと、田舎の実家に帰りました。
それからがん治療について懸命に勉強し、一日3回お風呂に入ること、しぼりたてのニンジンジュースを一日10回飲むことを実践しました。
3カ月後、CT検査を受けると腫瘍はほぼ消えていたそうです。
3年が過ぎた今も、彼女はご両親と元気に暮らしています。
がんだけではありません。
生き方を変えることによって、膠原病や慢性関節リウマチなどの難病が改善したもいますし、高血圧症や糖尿病などの生活習慣病の数値が安定した人も大勢います。生き方を変え、考え方を変え、そして生活を変えることによって病気と上手につきあうコツがつかめます。
病気は身体からのSOSです。
身体が「疲れたよ」「きついよ」「休みたいよ」と教えてくれているうちに身体が欲することを始めましょう。
それを無視し続けてしまうと、身体は病気という形で叫び声を上げることになります。
身体のSOSを受け止めてあげられるのは自分だけ。医療や薬はそれを支えるためのものであり、病気を治すのは自分自身なのです。
そして、病気とは決して闘う相手ではないことを忘れないでください。
では、どうすればよいのでしょうか。
第一にはストレスの原因をとり除き、生活に楽しみや生きがいを持つこと。
第二に生活を改善すること。
「薬を使わない薬剤師」として私がおすすめする生活改善術をご紹介します。
第1カ条 体温を上げる
体温が一度下がると、免疫力はおよそ30%も低くなるといわれています。
ところが薬は、体温を下げる作用を持ちます。
これは解熱鎮痛剤に限ったことではなく、ほとんどの薬が持つ作用です。
病気を治すためには免疫力の向上が欠かせないというのに、病気の症状を抑えるために飲んだ薬が体温を下げ、免疫力を低下させてしまうとは、なんとも皮肉な話です。
薬の長期服用が身体によくない理由の一点はここにあります。
急性の症状を抑えるなど、薬の主作用が副作用を上回る場合には、薬はおおいに効力を発揮するでしょう。
しかし、長期間服用を続ければ、体温の低下が続き、免疫力はどんどん弱ってしまいます。
これでは身体が病気を治す力を高めることができません。
病気を治し、薬に頼らない身体を築くためには、体温を上げることを心がけましょう。
体温を上げるには、血流をよくすることです。免疫細胞は血流に乗って全身をめぐりますし、血流がよくなれば細胞の生まれ変わりである新陳代謝を活性化できます。
体温が上昇すると、体内環境が病気を治すほうへといっせいに傾いてくれるのです。
本来、健康な人の平熱は36・5〜37・1度です。
最近は35度台の低体温の人が多くなっています。病気を患う人が増えている一因はここにもあると考えられます。
ふくらはぎをよく動かす、筋肉をつける
まずはふくらはぎを動かしましょう。ふくらはぎは「第2の心臓」といわれます。
下半身に滞りがちな血液やリンパ液は、ふくらはぎをしっかり動かすことで押し戻すことができ、全身の血流改善をうながします。
その方法は「むぎふみエクササイズ」です。次回紹介しますね!
筋肉をつけることも大事です。筋肉が身体についてくると基礎代謝が上がります。
基礎代謝とは生命活動に使われるエネルギーのことです。基礎代謝が上がれば、エネルギーを消費する効率がよくなり肥満を予防・解消できますし、血行もよくなります。
一日一回は入浴する
「がん細胞は35度を好み、39・3度で死滅する」と、最近の研究により報告されています。
体温の低い人、冷え性の人はがんになりやすいのです。
毎日、お風呂にゆっくりと浸かり、体温を上げることは、身体を清潔に保つ以上の意義があります。
血流をよくして免疫力を高め、がん細胞を死滅させてくれるのです。
そう考えれば、シャワーだけですませる、というのはよくない生活習慣であることがわかるでしょう。
お湯は少しぬるめにして、身体の深部からジワジワと温めていくのがベストです。
熱いお風呂を好む人もいますが、これはやめましょう。
免疫力は、活動時に優位になる交感神経が刺激されると停滞し、休息時に優位になる副交感神経が刺激されると活性化します。
交感神経と副交感神経はあわせて自律神経と呼ばれ、両者が拮抗して働くことで体内の機能は正常に保たれます。
がんや糖尿病などの生活習慣病になりやすいのは、交感神経が優位に働き過ぎている人です。
忙しい生活、ストレスの多い生活は自律神経のバランスを崩し、交感神経の働きばかりを亢進させてしまいます。
それにもかかわらず、熱いお湯に入れば交感神経がますます刺激され、入浴が逆効果になりかねません。
病気を治すために必要なのは、副交感神経がきちんと働く時間をつくってあげること。
そのためには、心身ともにリラックスすることが大事です。
「忙しくてゆっくりお風呂に入る余裕がない」という声も聞こえてきそうですが、シャワーだけでなく湯舟にお湯を張って入ることを心がけましょう。
それだけでがん細胞を減らせるのだとしたら、やってみる価値はあるはずです。
入浴中はよりリラックスできるよう、深呼吸をくり返す、ふくらはぎなどをマッサージする、好きな音楽を聴きながら瞑想するなどもよいことです。
旬の食べ物をとる
食べ物には「食性」というものがあります。身体を温める「陽」、身体を冷やす「陰」、陰陽どちらにも偏らない、おだやかな性質の「平」という食性です。
多くの場合、人間の身体は食性と連動しています。
夏野菜に陰のものが多いのは暑さでほてった身体を冷ますため、冬野菜に陽が多いのは寒さで冷えた身体を温めるためです。
旬や盛りの野菜や果物をとることは、身体を健康に導くために欠かせないことです。
ところが近年は、農業技術もすすみ、冬でもトマトやキュウリが流通しています。
夏が旬のトマトやキュウリを、冬に食べれば身体を冷やし、免疫力を低下させかねません。
トマトはリコピンという抗酸化物質が豊富で健康食品として知られていますが、夏野菜は夏に食べてこそ意味のあるものといえます。
ただ、冷暖房の完備された現代の暮らしでは、夏でも身体が冷えてしまいがちです。
低体温の人、冷え性の人は、夏でも温かいみそ汁やスープ、煮物、鍋料理などを積極的に食べるようにしましょう。
キンキンに冷やしたものは食べない
炎天下で身体がほてってしかたがない際に、キンキンに冷やした飲み物や食べ物をとるのはよいと思います。
けれども、長袖を着ている季節や冷房の効いた室内で、冷たいものを口にすれば身体を冷やすだけです。
身体の冷えは、免疫力を下げ、病気を招きます。冷やしたものより温かいもの、せめて常温のものを飲食するようにしましょう。
(文=宇多川久美子「その一錠が脳をだめにする」より抜粋)
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