先日のNHKニュースで『この秋以降、新しい型のノロウイルスが流行するおそれがある』という報道がありました。
高齢者や乳幼児を中心に激しいおう吐や下痢を引き起こすノロウイルスですが
変異が起こり、ヒトが免疫を持たない新たなウイルスとなって、ことし初めから国内で感染を広げていたようです。
ノロウイルスの本格的な流行は秋以降で、国立感染症研究所によると
秋以降も新たなウイルスが主流となった場合には
「例年にない大きな流行になるおそれがある」として全国の地方衛生研究所にウイルスの分析を徹底するよう求めました。
激しいおう吐や下痢を引き起こすノロウイルスには、ヒトに感染する遺伝子の型が31種類あるといわれています。
平成18年に大流行したときは「GⅡ4型」が主流でした。
ところが、今年に入って、「GⅡ17型」が急激に増え、2月以降は、すべてこの型になっていたのです。
さらにこの「GⅡ17型」の遺伝子を詳しく解析したところ、ヒトへの感染のしやすさに関わる部分が変異し
ヒトが免疫を持っていない新たなウイルスになっていたということです。
私たちはそれまでに感染したウイルスの型に対しては、免疫を獲得して次の感染を防ぐシステムを持っていますが
変異によって新たなタイプが出てくるとそれまでに獲得した免疫が役に立たなくなるため
感染する人が増えて大流行するおそれがあるのです。
平成18年にノロウイルスが大流行したときも、それまで流行してきた「GⅡ4型」のノロウイルスの遺伝子が変異し
私たちが免疫を持たない新ウイルスとして感染を広げたのです。
(ノロウイルス)
国立感染症研究所によると、9月から12月上旬までの3か月余りで
国内の感染者は子どもを中心に303万9000人に上ったと推計しています。
NHKの調査では、平成18年10月から12月までに少なくとも2405件に上る集団発生が起きていたということです。
集団発生が起きた場所は高齢者施設が半数以上を占め次いで医療機関、保育所・幼稚園など
抵抗力の弱い人たちが集まる施設での集団発生が相次ぎました。
ご存知のとおり、ノロウイルスは、おう吐や下痢などの胃腸炎を起こすウイルスで
食中毒の原因になることも多く毎年秋から冬にかけて流行します。
ノロウイルスに対するワクチンや特別な薬はないので、特効的な治療法はありません。
おう吐や下痢によって脱水症状を起こさないよう、水分を補給するなどの対症療法をすることになります。
感染力はとても強いのですが重篤化することはまれで通常は数日間で自然に回復します。
しかし、乳幼児や高齢者の場合、脱水症状を起こし、入院による点滴が必要になったり
吐しゃ物をのどに詰まらせ窒息で死亡することもあるので十分な注意が必要です。
感染力が強いので、患者のおう吐物や便などに触った手などを介して
口から感染してしまうので、抵抗力の落ちた高齢者が多い施設や病院
乳幼児のいる保育園や幼稚園での集団感染が起こりやすいのです。
いつもお伝えしている通り、「感染」と「発症」は違います。
免疫力が十分に上がっていれば、「感染」しても症状として「発症」しないで済みます。
自分自身が発症しないためには、日常から免疫力を上げる生活を心がけることが大切です。
しかしこのことが、施設や病院で健常な職員や医師などを通して
免疫力の下がった高齢者や患者の集団感染を招くことに繋がってしまうこともあります。
懸念される大流行を防ぐためには、感染者の嘔吐物や便を処理するときに
最大の注意を払うことも大切です。
はめる手袋などは使い捨てもものを使用しましょう!
日ごろから流水と石けんによる手洗いも重要ですが、あまり過敏になりすぎて手の皮がむけるほど洗いすぎると
自身に備わっているバリア機能を崩してしまいかねません。
平成18年の大流行の時にも、手の洗い過ぎ、消毒剤の擦り込み過ぎで
手荒れがひどくなる人が続出し皮膚科が大忙しだったということもありましたね。
いずれにしても、ノロウイルスに負けない強い身体を保ちつつ
免疫力の低い方への感染の媒体とならないよう、十分な注意をして、みんなの力で
懸念されているノロウイルスの大流行を防ぎましょう!!
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