薬を使わない薬剤師の“健康自立ブログ”

増え始めた、注意欠陥・多動性障害(ADHD)。その薬は覚せい剤と似た性質??

医療の無料化は子育てをする親御さんにもとても有り難いことと受け取られがちです。
小さい頃から手厚い医療を受けられることは、一見安心のように思えますが、本当にそうでしょうか。
かつては私も子供の医療費の無料化に喜び安堵していました。長男が生まれた当時は一歳までが無料、その後3歳まで、小学校就学まで、小学校卒業までとなり、今では中学校卒業まで無料です。
(これは私の住んでいる自治体での例です)

しかし、子育ても終わり、医療の現場から離れた今の私は、こんなにも医療が生活はいりこんでしまっていることに不安を感じずにいられません。
現在の日本の医療には薬が不可欠ですが、肉体的に未熟な子供への薬の投与は、大人よりもずっと危険だからです。
まだ機能的にも発達していない内臓に薬という異物を入れるのです。

子供の薬の作り方


そもそも子ども用の薬の作り方には大きな問題があります。
薬はマウスなどの動物実験などさまざまな課程を経て、最終的に実際に人体に投与する 臨床試験となりわけです。
人体に投与する場合でも、いきなりその薬の対象者ではなく、まずは健常者に投与して経過をみます。
ここで期待していた一定の効果が得られ、なおかつ予想外の副作用などが起こらないという結果が得られてから、対象者に投与することになります。

しかし、このような臨床試験を子ども相手に行うわけにはいきません。そのため、たいていの場合、大人用の承認薬を基に、大人と子どもの体格差を考慮した計算式に沿って分量を調整し、子どもが飲みやすいように甘いシロップ状にしたり、オレンジやストロベリー味の顆粒にして作ります。

味は子ども向けでも、その成分は子どものために作られたものではないのです。
もともと子ども用に開発されていないものが、当たり前のように子どもに投与されている。
つまり、子どもの薬は常に臨床で試されている、ということです。

もちろん、全ての薬が危ない!いけない!と言っているわけではありません。

痛み苦しんでいるお子さんを目の前にして、病院にも行かず薬を飲まないことを推奨しているわけではありません。
医療の力が必要なとき、薬の力を借りなければならない時もあるでしょう。

しかし、無料だからと安易に医療の力を借りるのではなく、極力、薬を取り入れずにすむよう、バランスのよい食事、外で遊ぶこと、しっかり睡眠を取ることなど規則正しい生活を心がけ病気にならない丈夫な身体を作ってあげてください。

大人であれば、薬を飲むも飲まないも本人の選択ですが、子どもの場合は親の判断にかかっているのですから。

増え続ける子どもたちの心の病


ここにも子どもの医療の無料化が影響していると思っています。
注意欠陥・多動性障害(ADHD)という病名は、ニュース等でもよく取り上げられているため、ご存知の方も多いでしょう。

他のお子さんと異なる行動が見られる場合、受診を求める教師、そして受診をさせる親御さんが増えているようです。
この傾向は小学校入学前から始まっていて、実際、幼稚園児のお母さんから「あなたのお子さんは集団生活を送るのが難しくクラスに迷惑をかけるので、病院にいってADHDかどうか診断してもらってください。」と言われたというご相談も受けます。
そして、ADHDであると診断されれば、子どもに対しても向精神薬が出されます

向精神薬は、脳の中枢に直接働きかける薬です。
その代表的存在であるリタリンはアメリカでADHDの特効薬として使われていました。

スウェーデンでは1968年に発売が禁止となり、アメリカでも1970年代には、麻薬であるヘロイン並みの依存性を持つことが指摘されていたにもかかわらず、使い続けられたのです。
アメリカではリタリンを処方された子どもたちだけでなく、飲むと元気が出る、集中力が増すなどの効果があるとして、大人たちの間にもリタリンが爆発的に広がっていきました。
1990年から1999年の10年間で、全世界のリタリンの生産量は700%増でその90%がアメリカで消費されました。

そんな状況下、アメリカでは学校内での銃乱射事件が多発しました。犯人の子どもたちを調べたところ、その多くが何らかの学習機能上の障害があると診断され、リタリンを含む向精神薬を服用していることがわかったのです。

これを受けてコロラド州では、正確かつ厳密な検査をしないで診断されたADHD児へのリタリンの投与を禁止しました。
安易にADHDのレッテルを貼り、リタリンを投与することが、子どもたちにとっても、社会にとっても非常に危険であると判断したのです。

覚せい剤と似た性質の薬を子供に・・・

現在、日本では小児のADHDにコンサータ錠が処方されます。

2007年に承認されたのですが、覚醒剤と似た性質をもつため、承認にあたり厳格な規定が定められました。
処方できる医師を限定し、調剤できる薬局と共に登録制としたのです。
これにより、定期的に流通状態、処方状況の管理を行っています。
言い換えれば、これほど厳格な規制が必要な薬剤を、子どもの時から与え続けているということです。

思い返してみてください。

以前は、ADHDという病気はありませんでした。

元気でエネルギーが有り余り、じっとしていられないことも「個性」とみなされていました。

みなさんの周りにいた落ち着きのない子も、大人になるにつれそれなりに落ち着いて行動できるようになっていったはずです。
むしろ大人になってすごい才能を発揮していたりしませんか。
昔は「みんな違ってみんないい」とおおらかに見ていたことも、今では「みんな同じ水準でおなじ行動が取れなければいけない」時代になっているのです。
同じ行動がとれないことは「病気」とみなされ「薬」が与えられるのです。

薬の危険性についてお話した時、ADHDと診断され薬を服用しているお母さんが、目に涙を浮かべながらこう言いました。
「薬の怖さは私も主人も十分にわかっています。だからこそ薬を減らそうと思うのに、子どもが薬を減らしたくないって言うんです。
薬を飲めば学校に行けるからって。そう言われたら、飲ませるしかないじゃないですか…。」

薬が効いている間はボーっとしていて席から立つこともなく教師はこれを「落ち着きがでてきた」と見るのかもしれません。
その子も、薬を飲んで着席できることが、自分がクラスに受け入れられる唯一の方法だと理解してしまったのかもしれません。

ADHDと診断された子どもの集団生活と薬との関係は決して簡単に解ける問題ではありません。

子どもに処方される薬がいったいどういうものなのか、薬を飲ませることがその子の将来にどんな影響を与えることになるのか、親御さんも教師もしっかり認識し、もう一度考えてみませんか。子どもを守ることができるのは大人である皆さんなのですから…。

そして、それぞれの個性を認め発揮できる社会に戻すことができるのも私たち大人なのですから。
(文=宇多川久美子)


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