薬を使わない薬剤師の“健康自立ブログ”

健康診断で高血圧です!と診断されてしまった。あなたならどうしますか?薬を飲みますか?それとも・・・

最近、血圧の薬を飲み始めた患者さん(52歳・男性)からのご相談です。

30代から会社の健診で高血圧を指摘されていたが「薬はできるだけ飲みたくない」という思いから薬は飲まずにいた。
昨年、半身のしびれがあり検査したところ「軽い脳梗塞の疑い」と診断されたが特に薬は処方されなかった。
今年の健診で医師から「いよいよ、血圧の薬を飲まなければ大変なことになる」と言われた(血圧170/100mmHg)。
「薬を飲まなければ、どうなるのですか?」と質問すると「脳出血で倒れて半身不随になれば、奥さんが一生介護をしなければならなくなる。
どうしても飲みたくないというのなら奥さんにも説明するから一緒に来るように。」と言われ、奥様と受診。

奥様も「出来るだけ薬は飲まない方が良い」という考えだったが、『脳出血のリスク』の話を聞いて、「薬を飲んだほうがよい」という判断をして2週間前から服薬。
「薬は一生飲むことになるのですか?」と質問したところ「そういうことになりますね」との医師の答えに「一生飲むなんてイヤだ!このままではダメだ!なんとかしなければ!」とご相談にみえました。

それでは、この方に処方された薬を見ていきましょう

クロピドグレル錠75mg

クロピドグレルは血小板のはたらきを抑えて、血液を固まりにくくする「抗血小板剤」で、虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)や脳梗塞の予防に使われます。
クロピドグレルは先発品「プラビックス」のジェネリック医薬品です。
虚血性心疾患は心臓に栄養を与える冠動脈が詰まってしまう疾患、脳梗塞は脳の血管が詰まってしまう疾患です。
いずれも「血栓(血の塊)」が原因となる事が多く、血液を固まりにくくさせて血栓を生じにくくさせる抗血小板剤を服用することでこれらの疾患の予防ができるとされています。

アムロジピン5mg

アムロジピンは血管を広げることで血圧を下げる「カルシウム拮抗薬」に分類される薬です。
先発品は「アムロジン」または「ノルバスク」で、ジェネリック医薬品も多数発売されています。
血管が収縮するときに、体内のカルシウムが作用しますが、アムロジピンはこのカルシウムのはたらきを邪魔することで、血管が収縮することを防ぎます。
多数発売されているカルシウム拮抗薬の中でも、アムロジピンは特によく使われている薬です。
ちなみに、「カルシウム拮抗薬」という名前から「この薬を飲むことで、骨がもろくなりませんか?」というご質問をよく受けますが、カルシウム拮抗薬で骨がもろくなることはありませんので、ご安心くださいね。

脳の血管に障害が起きるとどうなる?


ここで脳の血管に障害が生じたことが原因となる病気について解説しておきます。
脳血管に、障害が生じたことが原因となる病気の総称が「脳血管疾患」で、これは「脳卒中」と同義語です。
脳血管疾患は、概ね「脳梗塞」と「脳出血」に分けられます。「脳梗塞」は脳動脈血管が詰まって、脳細胞の一部に血液が行かなくなってしまった状態です。詰まった原因によって病名が異なります。
他所でできた血の塊(多くは心房細動が原因)が脳動脈に行き、血管が徐々に細くなり、やがて詰まってしまう場合が「脳塞栓(のうそくせん)」で、血管そのものが何らかの原因によって細くなってしまい、脳動脈の血行が著しく悪くなる状態が「脳血栓」です。脳血栓はコレステロールが原因となる血管内付着物(アテローム等)の沈着などが原因となります。
脳血管の出血性疾患は、以前は「脳溢血(のういっけつ)」と呼ばれていて、現在は、出血部位の違いによって「脳(内)出血」と「クモ膜下出血」とに大きく分けられています。脳の表面の動脈血管が破れて出血する脳血管疾患が「クモ膜下出血」です。

降圧剤を服用している人は、全国で2000万人以上


現在、降圧剤を服用している人は、全国で2000万人以上と言われています。
厚生労働省の統計によれば、死亡原因としての脳の出血性疾患は、1975年には死亡者全体の20%から2005年には6%に激減している一方、脳梗塞は逆に、1975年には死亡者全体の10%から2005年には15%に増加しているというデータがあります。
また、脳卒中の中で脳出血の割合は15%で、80%は脳梗塞であるという報告もあります。

降圧剤を服用する人が増加しているにもかかわらず、近年は脳梗塞で死亡する人が増加してしまっているのです。
脳外科の技術水準は当然上昇しているでしょうから、脳梗塞での死亡者数が増加しているということは、実際の脳梗塞の発症率はかなり激増しているのでないでしょうか。

降圧剤を服用して脳内出血を防ぐことができても、脳梗塞を発症してしまうケースが増えてしまっているとしたら・・・。
更に、高齢者の場合、降圧剤の服用で脳の血の巡りが悪くなり、脳内に酸素や栄養が行き渡らず、脳血管性の認知症になる可能性も考えられます。

血液をサラサラにする


心筋梗塞や脳梗塞の再発予防のために血液をサラサラにする薬が処方されますが、これには大きくわけて二つの種類があります。
一つは「抗血小板薬」で、動脈硬化が原因で生じる血の塊をできにくくする薬(プラビックス、バイアスピリンなど)です。
もう一つは、血液凝固因子フィブリンによる血栓をできにくくする抗凝固薬(ワーファリンやイグザレルトなど)です。

どちらの薬も、副作用として血液の流れがよくなり過ぎ出血しやすくなるという問題が生じます。
軽くぶつかっただけで内出血を起こし青あざができやすくなったり、眼底出血、消化管出血、歯ぐきからの出血、血尿などが起こりやすくなります。
抗血小板薬のバイアスピリンは大量に服用することで胃炎や胃潰瘍を引き起こすこともあります。

抗凝固薬の中でも昔からあるワーファリンは、用量のコントロールが難しく危険を伴うので、定期的に血液検査をして容量を決めなければなりません。
またワーファリンはビタミンKを抑えることで、血が固まりにくくなる薬なので、ビタミンKを多く含む食品(納豆やクロレラなど)を食べることができなくなります。
使い勝手がよいとはいえないワーファリンですが、「心房細動がある人にはワーファリンを使うように」とガイドラインに書いてあるので、とても多く処方されている薬です。
心筋梗塞の予防になるというデータもありますが、副作用として脳出血が増えるということも報告されています。
しかしガイドラインに載っているので、ワーファリンが処方されることが多いのです。実際に、ワーファリンを処方しなかった患者さんが脳梗塞を起こしたことで裁判になった事例もあります。

最近では、イグザレルトやプラザキサという新しい抗凝固薬も発売されました。
これらは、定期的な血液検査の必要もなく、納豆も食べられるのでかなり処方されるようになってきましたが、血が固まりにくく出血しやすいという危険性は同じようにあるのです。

たとえば、予定されている手術であれば前もって薬を中止することができます。
今回のご相談者が処方されているクロピドグレルは一度血小板につくと永久にくっつき続け、その作用は不可逆的だと言われています。
血小板の寿命は7~10日程度だと考えられていますから、手術の10日以上前にクロピドグレルを中止することで、手術中の危険を避けることができます。

しかし、緊急の手術が必要な場合には・・・。

止血できずに危険な状態になることもあるのです。

薬を使わずに血圧を下げる方法は?


まずは運動からのアプローチをお薦めします。
特別なことではなく「歩き方を変える」ことを目標とします。

第二の心臓であるふくらはぎをしっかり動かすことで血流を良くしていきます。
高血圧なってしまった原因はいろいろあります。食生活に問題があったり、ストレスを抱えることが多かったり、運動をしない状況が続いたり・・・。
いろいろなことが長い間続いた結果、カラダは血圧を上げたほうが良いと判断した結果高血圧になってしまったということも考えられると思います。
では、逆にカラダが血圧を上げなくても大丈夫だという認識をすれば無理に血圧を上げなくても良いということになり、その結果血圧が正常に戻るという考えもあります。
日常的に血流が良ることがとても重要で、何かやったときだけちょっと良くなるということではなく、継続的に血流がよくなり続ける必要があると思います。

第二の心臓 ふくらはぎを動かす


そのためのエクササイズが「麦踏みエクササイズ」です。
このエクササイズは血圧を安定させる最も効果があります。
場所も時間もとられずに毎日、どこでもてきるエクササイズです。

また自律神経を整えるために正しい姿勢を確保することも大切です。

正しい姿勢で立つことが正しく歩くことの基本


正しい姿勢を作るためのエクササイズが「芽生えエクササイズ」「竹の子エクササイズ」です。

誰でも簡単にできるエクササイズです。毎日実践してみましょう!

まとめ


確かに薬は短時間であっという間に血圧を下げます。
急に血圧が上昇してしまった時には薬は必要なものですが、降圧剤を飲んでも高血圧症が治ったわけではありません。
薬は症状を抑える対処薬にすぎません。
危険な症状を抑えつつ、薬の要らない身体作りをしていくことが大切です。
「エクササイズをする・歩き方を変える」を実践しても、短時間であっというまに血圧を下げることはできません。

しかし、必ず毎日する「歩き」の質を変えることができたら、薬と「一生のおつきあい」をしなくて済むかもしれません。
薬を一生飲むことになるかどうかは、ご自身の生活習慣とどう向き合うかによって決まります。
このご相談者さんはこれから「歩き」と「食」そして「生活改善」について学んでいかれます。

歩くと言っても一日1万歩歩きましょう!ということではありません。
無理に長距離を歩いて、ケガをしてしまったり、ひざなどに負担をかけてしまっては意味が無くなりますので、毎日できるところから始めることが重要です。
ポイントは「正しく歩く」ということです。
正しくあるければ1日300歩でも大丈夫です!まずは300歩から始めませんか?
みなさんも、ご自身が処方されたお薬について詳しく知りたいと思います。
そんな方は、是非第二第四火曜日に開催されている
正しい歩き方をマスターするレッスン「ベジタサイズ&ハッピーウォーク」にお薬をご持参の上ご参加ください。
薬を使わずにできる対処法を一緒に考えていきましょう!


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